ナースさん


「わぁー!すごいね!」


テレビに映るのは、人でごった返す渋谷の街。ハロウィン当日の夜の様子がテレビで中継されている。
テレビに映る人々は各々に仮装をしていて、怪しく、だが楽しそうに街を練り歩いている。


もうそれなりに遅い時間、あと数分で10月31日が終わる。莉子はテレビの前に座り込み、興味津々にニュースを眺めていた。



「みんな色んな格好してて可愛いね!」

俺の方を振り返って、楽しそうに笑う莉子。何を言っている、そんなお前が一番可愛い。そう心の中で呟いてから、ふと先日撮影終了後に買取をした衣装のことを思い出した。


「真斗、この間雑誌でお医者さんの仮装してたよね。格好良かったなぁ」
「…莉子」
「なに?」
「せっかくだから俺達も仮装してみないか。撮影の衣装があるんだ」
「えっ、あるの?見たい見たい!」
「莉子のも用意してある。一緒に着よう」
「えー、私は良いよー」
 
そう言って恥ずかしそうに頬を染めた莉子だが、俺の仮装をどうしても見たいようだ。莉子も一緒に着替えることを条件にすれば、渋々紙袋に入れた衣装を持って部屋を出た。



「何これぇぇぇ」

…自分が何を着せられるか気付いた莉子の叫び声が隣の部屋から聞こえる。それが可笑しく、つい笑ってしまった。間もなくしてドアが開き、莉子がそっと顔を覗かせる。


「ね、真斗…」
「ん?着替えたか?」


白衣の襟を直しながら莉子の方を見ると、スカートの裾を引っ張りながらもじもじとしている。
莉子に用意したのはミニ丈のナース服。タイトスカートが下半身に張り付いていて、妙にいやらしい。独特な形をする帽子もきちんと被っていて、その姿は病院のナースそのもの。あー可愛い。誰が最初に言い出したのかは知らないが、白衣の天使とは上手い事を言ったものだ。


「これ、丈短いよ…」

スカートの丈を必死に伸ばそうとしているが、当然それ以上長くなることは無い。もじもじと太股を擦り合わせるその仕草がなんだか誘っているように見えて、自分の熱が上がったのが分かった。


「よく似合っている。ほら、こっちへ来い」
「ん…でも恥ずかしい」

ゆっくりと近付いた莉子を引き寄せて、ソファーに腰掛けた自分の膝に、正面から座らせる。 

必然的に足を開かざるを得なくなった莉子のスカートがずり上がり、履いていた下着が丸見えになってしまった。
その事気付いた莉子が小さく声を上げて俺から離れようとするが、
 
「逃がさないぞ」
「やっ…」

その細い腰に手を回して、逃がさぬようしっかりと抱き寄せた。


膝に乗っているせいか、少しだけ高い位置に見える莉子の顔…赤く染った頬と震える唇がまた官能的で、たまらず強く唇を重ねた。


「んっ…!」

いつもよりは、少しばかり強引なキスだったと思う。何度も角度を変えて貪り、強く唇を吸った。漏れる声と一緒に、莉子がまたもじもじと身体を捩った。


「んぁ、ねっ…まさと」
「ん?どうした?」
「かたく、なってる…」

どうやら莉子の太股に、いつの間にか勃起していた俺のものが当たっていたようだ。
わざと擦るように動かせば莉子の顔が欲に染まったのが分かった。


「すまないな…莉子の格好を見ていたら興奮してしまっていたようだ」
「んぅ、」
「莉子も興奮したか?下着が湿っているぞ」
「だって、真斗が、かっこいいから…」
「そうか、…莉子に言われるのが一番嬉しいな」


帽子から覗くサラサラの髪の毛をそっと撫でる。それに気持ちよさそうにして目を瞑る莉子が可愛くて仕方がない。赤くなった頬に触れて、そっとそこにキスを落とせば、莉子は擽ったそうに顔を動かした。


「顔が赤いな、熱でもあるのか?」
「んっ…真斗のせい」
「どれ、診察してやろう」
 
白い服を捲りあげて、胸を露出させれば、黒い下着に包まれた豊かな胸が現れた。白い服と白い肌に黒の下着が映えて、それがまたいやらしいと思った。

やたらリアルに作られているこの衣装。付属されていた聴診器を莉子の胸元に当てると、どくんと胸の鼓動が聞こえた。


「あぁ…鼓動が速いな」
「ん、真斗…本当のお医者さんみたい」
「じゃあ隅々まで見てやろう」
「ひゃあっ!」
柔らな胸に当てていた聴診器を、硬い突起に触れさせた。冷たい感覚に驚いたのか、莉子は大きく肩を揺らす。
 

それに構わず、グリグリと押しつぶすように擦り付ける。耳に当てている聴診器越しに、莉子の息切れと喘ぎが聞こえた。
  

「だめっ…、そこ、ぐりぐりしちゃ、や…!」
「嫌じゃないだろう?嘘はいけないな」


ピンと立ち上がったもう片方の突起を、自分の口に含めば、莉子はさらに高い声を上げた。

そのままの体勢で、自分の足を前後に動かす。ちょうど俺の太腿に莉子の秘部が当たっていて、わざと擦り立てるように激しく揺らした。



「あぁ、もう下着の上からでも分かるくらいビショビショだ…はしたないナースだな」
「おねが、やめてっ…」
「そうか、それなら…」


恥ずかしさなのか快感なのか、目に涙を浮かべて首を横に振る莉子を見て、もっと虐めてやりたい衝動に駆られる。そのまま抱え上げてベッドに横たえれば、莉子は小さく声を上げた。
 

頬は真っ赤に染め、唇は小さく震えている。かすかに自ら腰を揺らしいてるのが分かった。恐らくこれから与えられる刺激に期待をしているのだろう。

 
「先生、と呼べば治療をしてやろう」
「やっ…そんな、出来ないよぅ…」
「そうか、それならこのままお預けだな」
「ふぇ、」


そう言いながらも、俺の手は自然と自分のベルトを外しにかかる。最初から、お預けをするつもりなどない、それは莉子も分かっているはずだ。

しかし、
  


「せ、先生、」
「ん?」
「お、お注射…して、ください…っ」


莉子は時々こうして俺の予想を超えてくる。
それが可愛い、そして愛しくて仕方がないんだ。


「やぁっ!ぁ…」

いきり立った自身を、勢いよくねじ込む。
それだけで達しそうなくらい、今日はどうしようもなく興奮していた。


「んっぁっあ…!まさ、と、やっ!」
「…っ、すごい締め付けだな…興奮したか…?」
「ふっ…ごめ、なさ…せんせぃ、」
  

わざと弱い所を責め立てるように、激しく腰を揺らす。白いシーツの敷かれたベッドに組み敷いているのが、本物の病院で犯しているような錯覚を生む。我慢できず、焦らすことなく容赦なく、ひたすら突き上げた。


「んっ!あっあっ、や…!」
「…っ、」


いつもより早めに射精された俺の精液が、莉子の綺麗な身体を汚した。 

まるで全身を俺に染められたようだ。息を切らす莉子を見下ろせば、これ以上ないくらい満たされ、自然と笑みが浮かんだ。



「Trick or treat」
「んぁ…」
「ごちそうさま」
 

唾液で濡れた莉子の唇を、舌で一舐めする。こんな事が出来るのもハロウィンならではか…街中で浮かれて騒ぐ人間の気持ちが、少し分かったような気がする。



  
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