騎士のKissは雪より優しく


「紗矢ちゃんと一ノ瀬くん帰ってこないね」
「…あぁ」


お手洗いに立った紗矢ちゃんと、すぐに追いかけていった一ノ瀬くん。
あれから数分経ったけど、二人が戻ってくる気配はない。部屋には私と真斗と二人きりだ。



「しばらく帰ってこないんじゃないか」
「え、なんで?」
「まぁ…何をしているかは想像がつく」
「?」

真斗の言葉の意味がよく分からないまま、私はまた機械を操作する。次は真斗に何を歌ってもらおうかな。好きな曲ばかりだから迷ってしまう。うーん、どうしよう。

真斗のソロ曲の中から、結局王道だけど騎士のKissは雪より優しくを選んだ。



「莉子は歌わないのか?」

マイクを準備しながら私に問いかける真斗に、私はううん、と首を振った。

「せっかく真斗と来たから…真斗の歌が聴きたいなぁって…」


これは本心。だって私は真斗の優しくて、時々力強い歌声が大好きなんだもん。

そうか、と微笑んで歌い始める真斗の声に、ついうっとりしてしまう。


次は何を歌ってもらおうかなと思い、機械に目線を落とした瞬間、唇に優しい感触。


「真斗…?」


本当に雪のようにふわり、と落ちた口付け。
ちょっぴり驚いたけどその優しいキスが嬉しくて、続きを待つかのように瞳を閉じた。
多分、それがいけなかったのだと…思う。


「んっ、ふっ…ぁ、」

はじめ触れるだけだった唇が、徐々に強く押し付けられていく。バックでピアノの音楽が流れているのに、真斗は右手でマイクを持っていながら、キスに夢中で全く歌おうとしない。


歌って欲しいのに、でもキスは止めて欲しくない。私も贅沢な女だ。

私の口内を弄る真斗の舌を、必死に受け止める。こんな所じゃだめなのに、そう思っていても本気で拒否をしない辺り、私はおかしいのかな。


「真斗っ…」
「どうした?」

唇を離しても顔は間近にあるまま。真斗の綺麗な顔にドキドキしてるとスカートがずり上がる感覚がした。見えないけど太股をさわさわと撫でる真斗の手に、背中がぞくぞくしてしまう。


「だめだよ…紗矢ちゃん達もいるのに、」


両手で真斗の手を掴んで小さく抵抗するけど、真斗は止めてはくれず、そのまま下着をずらして私の秘部をなぞってきた。



「ひぁっ、」
「じゃあここで止めるか?」

くちゅっと音を立てて指が侵入する。


「いやらしい音だな、聞こえるか?」
「やっ、聞こえな、い…」

その音が自分から発せられていることが恥ずかしくて、咄嗟に嘘をついてしまった。

それに少しムッとした真斗は、なんと持っていたマイクを私の秘部に近付けてきた。


スイッチが入ったマイクのせいで、じゅくじゅくという水音が部屋に響いてしまう。


「あっやっ…やめ、」
「どうだ?これでも聞こえないと言うのか?」
「やだっ…止めて、おねが…」
「その願いは聞けないな」
「ひぅ、あっ…や」


さらに激しく出し入れされる指とマイクのせいで、音がさらに大きくなっていく。快感が強すぎて意識が朦朧としてきた頃に、勢いよく指が抜かれた。カラオケのソファが私の液でびしょびしょに濡れてしまっている。


「ふぇっ…やだっ…」


あと少しで達しそうな所でお預けをされてしまった。その辛さで目から涙が出そうになる。


「すまないな、俺も我慢出来なくなってしまった」

そう言ってそそり立つ自身を取り出した真斗は両手を私に伸ばした。


「おいで、莉子」

「…っ」


その優しい声に操られるように、ソファに腰かけた状態の真斗の太股の上に跨る。真斗に誘導されるがまま、ソレを飲み込むように腰を沈めた。


「ひゃぁ…、」
「っ、どうだ?気持ちいい、な?」


はじめから速いペースで下から動かしてくる真斗からの刺激に我慢できず、ぎゅっとしがみついた。


「あ、ん…きもち、」
「そうか、…あぁ、俺も気持ちいい、」


結合部からは、ぱしゃぱしゃと液が溢れてソファと真斗のズボンを濡らしていく。

刺激が強すぎて、揺らされる腰がさらに震える。
水音に負けないくらい漏れてしまう自分の甘い声が、恥ずかしくてたまらなかった。


「あっあっ…だめ、まさ、と…!声、出ちゃ…」
「防音だからな、大丈夫、だろう…」


そんな事言われても…
大体紗矢ちゃんと一ノ瀬くんがいつ戻って来るかも分からないのに。

それなのに、どうして私も止められないのだろう。



「もっと聞かせてくれ」
「あっ…やぁ、やっ…ん、」
「莉子の可愛い声が聞きたい」


いつの間にか曲は終わって画面には広告が流れているのに、それにすら気付かないくらい、真斗に夢中になってしまっていた。




  
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