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[7]喧嘩シリーズA
by 雪空桜夜
2011/02/26 20:18
「ぜーったいにきのこだったら!」
「なに言ってんだよ、たけのこだっての!」

今日も今日とて響く下二人の声に、シヴァは苦笑した。毎度ながら、よく喧嘩の種を見付けて来るものだと感心する。

「こら!二人共、止めないか」

にこにこと微笑ましく聞いていた喧騒の中に、別の声が交じる。優乃だ。放っておけば、自然に終結すると分かってはいても、面倒見の良い彼女は、止めなければと思ったのだろう。

「聞いてよ優乃姉!クリアってば、ワケわかんねーこと言うんだぜ!」
「あっ、なに言ってるのよ、バカ大樹!大樹の方が、ワケわかんないこと言ってるじゃない!」

キャンキャンと子犬のように叫び出す二人の声に、優乃は頭を抱えたくなる。久しぶりに大きな声で喧嘩をしているから、少し声を掛けただけのつもりだったというのに。いつの間にか自分を挟んで言い合う二人の頭に手を置いて、軽くため息を吐いた。

「で、今日はなんだ?」
「きのこの方がおいしいのに、大樹ったらたけのこの方がおいしいっていうの!」
「なんだよ、たけのこの方がお得カンがあるだろー!」
「いやよ!私はポッキーとトッポとチョコチップクッキー以外は、絶対に認めないのっ!」

きいぃ、と、珍しく感情的な声を出すクリアと、うまいじゃんかー、と頬を膨らませる大樹。外見も性格もあまり似ていない二人だが、こうして喧嘩をしていると、本当にそっくりである。

「わかった、わかった。分かったから、その大声は止めてくれ」
「じゃあ、おねえさまはどっちが良いの!?」
「そーだよ、優乃姉!優乃姉はどっち!?」

矛先が自分へと向けられ、思わず優乃は目を瞬かせる。よくある事ではあるが、急に答えられる事ではない。しかし、そんな姉に対して、追求が緩められる訳ではない。

「優乃姉!」
「おねえさま!」
「っ、」

真剣な目に、思わず口を開く。

「わ、私は、森〇チョコの方が好きだ!」

だからきのことかたけのことか関係ない!
予想もしなかった答えに、大樹とクリアは目を丸くする。

「まあ、その辺りにしておいたら?大樹もクリアも」
「シヴァ兄!」
「おにいさま!」

兄がこういった時に、間に入るのは珍しい。エプロンを片手に苦笑する彼は、もうご飯だよ、と告げたのだった。


>>ざ・中途半端…!orz
理由があればシヴァくんは声を掛けてくれるかな、と…!←


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