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俺は週に二回テニススクールに通ってる。そこのスクールは赤也と一緒の場所に通ってるんだけど、学年が違う上に学校も違うから通ってる日は被ってはいない。
今よりももっと小さい頃は一緒に行ってたんだけどなぁ…。
まぁ話を戻すと今日はそのスクールの日だ。長い間通ってると周りの同じクラスの奴らもわかってくるのか、自然とその日は遊びに誘ってくる奴はいない。
同じクラスになったことが無い奴は例外だけどな。あ、あとあんま関わりない奴とか。
今日最後の授業を終えいつもより少しテンション高めに意気揚々と帰りの会に備えながら帰宅する準備に取りかかっていた。
「なぁ、丸井くんいるか?」
あ、この声は…
「どうしたよ桑原くん?」
「うぉ!?ブン太本人だったのか…」
俺の席は廊下側の一番後ろ。だからジャッカルは俺を呼び出すためにドアの近くに座ってた俺に話しかけたんだろう。
「…つーか桑原くんってなんだよ」
「そりゃあジャッカルが俺のこと『丸井くん』って呼んでたからそれに倣って『桑原くん』って呼んだだけだろぃ。…んでどうしたんだよぃ」
「あぁ、あのさ今日よければ遊ばねえか?」
…あぁ、ジャッカルは最近転入してきたから知らないんだよな。ここ最近よくジャッカルと遊んでるけど、趣味があうのかすっげえ楽しかった。だからその誘いは魅力的だけど
「…悪い、今日習い事あんだ」
やっぱりテニスも好きなんだよな〜‥。
「そっか、習い事ならしょうがないよな‥。じゃあまた明日な!」
今一瞬ジャッカルが小動物に見えたのは俺の幻覚だろうか?
ジャッカルと遊びたい気持ちは俺もあるわけで、それで俺は閃いた。
自分の教室に戻ろうとしていたジャッカルの背中に急いで話しかける。
「なぁ!ジャッカルってテニス好きか?」
「…?あぁ、前の場所でもやってたし好きだぜ」
俺のいきなりの問いかけに疑問符を浮かべながらも立ち止まって俺の方を向いて答える。俺はニッと笑い、
「んじゃ、俺の習い事一緒に行こうぜ。そこテニスのスクールなんだけど優しい人ばっかだから普通に打たせてもらえるだろうし。前もやってたんならラケットあるだろぃ?」
「あ、あぁ、持ってるけど…」「それじゃラケットちゃんと持って来いよ、時間は…2時半までに学校の校門前で集合な!…そろそろ帰りの会始まるし早く教室戻ったほうがいいと思うぞ」
「え、あ、おい!」
俺が一方的にまくし立てた後、ジャッカルが何か言ってたけどそれは華麗にとは言い難いけどスルーしてさっさと俺は教室の中に入った。
......
「よし!時間までに来たな!」
2時半より15分くらい早く到着したジャッカルに頷いてさっさと歩き出す。
「なぁ、ほんとに俺も行って平気なのか?邪魔になったりとかするんじゃ…」
「ジャッカルは一々気にしすぎなんだよ、そんなんじゃ今は頭剃ってるかもしんないけどすぐに必要なくなっちまうぜぃ」
「……それ暗に禿げるって言ってねーか?」
「暗にじゃなくて堂々と言ってんだよ」
「余計なお世話だ!」
そう言ってずんずん歩いていくジャッカル。
…あ、
「ジャッカル」
「何だ!」
「そこまっすぐじゃなくて右に曲がるんだよ。…あと道路はちゃんと左右確認しろよ」
「…ブン太って何気にしっかりしてるよな」
「そりゃあ1歳年下の幼なじみと7歳年の離れた弟がいるからな。一番年上の俺がしっかり面倒見ねぇと」
「人って見かけによらないな」
…おい、それは一体どういう意味だ。
そんな風に雑談を交えながら歩いてたらいつの間にか着いてた。
そっからスクールを運営してる木村さんにジャッカルのことをいったら直ぐに察したのか「楽しんでいってね」ってジャッカルに言ってくれた。
「…な?余計な心配だったろぃ」
「あぁ、そうだな」
そう言ったジャッカルは安心した様に溜め息を吐いていた。そんなジャッカルに俺は苦笑しながら
「んじゃしっかりアップしようぜ、そんで早く打ち合う!」
「おう!」
俺のテンションが高くなってるのに気づいたのかジャッカルも元気に返事を返してくれた。
それから今日はスクールの人を相手にジャッカルとダブルスで試合したりといつもより充実した日になったと思う。
帰る頃にはジャッカルがスクールに通ってみようか考えてたし、このスクールで小学生は俺と赤也しかいないからできるだけアピールしながらジャッカルと家路についた。
数日後にはジャッカルもスクールに通うことになったのはまた別の話。
俺の生活に楽しみがまた増えたよぃ!
一週間で二回の習い事
11/02/14