ル イ ラ ン ノ キ


56章の好きなシーン(というかあとがき)
 
2023/02/04 10:01

56章を公開したばかりですが、好きなシーンを軽く語ろうかなと思います。
ネタバレになりますのでご注意ください。
 
第56章のタイトル【全ての始まり】は、第1章のタイトル【すべての始まり】とあえて同じにしてあります。
 
・全ての始まり1…『避難所』
シュバルツの目覚めによって被害を受けている街の様子からはじまります。そしてミシェルの様子も。
ゆるいRPGみたいな物語だったのに、鬱要素が強めで申し訳ないです。
 
・全ての始まり2…『月光』
ようやく、アールとシュバルツの戦いがはじまります。
「悪 対 悪。闇 対 闇」デリックのセリフです。ルイが来ない中で、カイたちも必死に食らいつきます。
デリックが一緒になって戦う予定はなかったのですが、流れ的に手を貸すほうが自然だったので戦闘仲間に引き入れました。
 
・全ての始まり3…『叫び』
暴走をはじめたアールを見て「怖い……」と呟く女の子。「この世の終わりじゃ」と呟くおばあさん。
ミシェルも心に余裕がなくなり、帰ってこないワオンに強くあたってしまいます。「他人のことなんかどうだっていい」ミシェルらしからぬセリフです。
そして、自我を失って暴走するアールを攻撃対象として駆け付けたスーパーライトがミサイルを放ちます。うぅ……つらい。
「やだよ……こんなのやだよ……こんなの俺が見てた未来じゃない! こんなのッ……つらいよ……つらいよ……」カイも虚しく涙を流します。
 
・全ての始まり4…『聞こえてるよ』
死んでしまえ。心の中も頭の中も支配する感情。そんなアールに届いた“初めて聞く少年の声”。好きなシーンです。
そして、間の抜けたデリックのセリフ「こんな時だが、屁が出そうだ……」。これも気に入っていたりします。最初にこの章を書き上げた時、このセリフはありませんでした。代わりに「押してだめなら引いてみろ……」でした。なぜそれが屁に変わったのか。デリックの最期になるかもしれないセリフがしっくりこなくて、彼の状況をリアルに想像した時に、こんなときでも屁は出るんだろうなと思ってしまったんです。可哀想にデリック。変なセリフになってしまって申し訳ない。でも気に入っている。
 
・全ての始まり5…『愛のカタチ』
ボスが第二形態、第三形態に変わるのは、ゲームをやったことがある人は「お約束」に感じていただけるかなと思います。ゲームではよくあるのです。「なんだ、ボスのくせに弱いじゃん」と思ったら第二形態になり、「なんだよやっぱ強いじゃん!」と手こずってやっと倒したと思ったら第三形態になり、「はぁああぁ?怒」となるので、他のゲームをしていてもボスを倒すたびに第二形態があるんじゃないかと思ってすぐには喜べないんですよね。
そしてゼンダとルイの会話。
「アールが悲しむぞ」「悲しみませんよ……彼女はすべて忘れて、幸せに暮らすんですから」
ルイの想い、胸が苦しくなります。
このページのタイトルは、ルイを思って付けました。
 
・全ての始まり6…『黒い根』
ここ最近、「ん?誰視点?」と思わせる入りが多いのは、私が好んでそうしております。読み進めることで誰視点なのかわかるようにあえてしているのですが、うざかったらすみません。私の中の、演出の流行りです……。
そして、ウペポさんが動き出しました。そして、ジャックが必死に届けた眠り薬がゼンダの手に渡りました。
アールはまた、時を遡ります。シュバルツの根っこ排除するために。
 
・全ての始まり7…『来た道を辿って』
どんどん時を遡っていくのですが、計算ミスがありましたらすみません……。苦手なんです、計算。何度も計算していますが……。
数百年前ってどんな感じなんだろうかと参考がてらGoogleで検索したら、本当にこれ数百年も前に建てられた家なの!?と驚く写真が沢山出てきました。もちろん国によって異なりますが、人間ってすごいなぁって、思いました。(小学生みたいな感想文)
 
・全ての始まり8…『時運』
アール、若い頃のシュバルツとご対面です。このシーンを描こうと思ったとき、好青年であることしか思い浮かびませんでした。じゃあいつ、どこから、彼は闇へと墜ちてしまったのでしょうか。原因は……?
 
・全ての始まり9…『誕生』
運命のいたずらというものです。
 
・全ての始まり10…『途絶えた愛情』
シュバルツの母親に会ったアール。姉の美鈴にそっくりだった。
シュバルツは彼女の、お腹の中。
 
・全ての始まり11…『罪』
悪魔の子の誕生。赤ん坊に剣を振り下ろそうとするアール。未来を変える方法がわからず、葛藤します。
 
・全ての始まり12…『未来を変える』
一度過去に行ったときと同じように、未来を変えるアイテムを手に入れました。
 
・全ての始まり13…『消えて行く夢の世界』
ページのタイトルにしました、消えて行く夢の世界。ウペポさんの意識が遠のいていくほどに、アールが見ている夢の世界が歪んで消えて行くのでした。
 
・全ての始まり14…『私利私欲』
カイの声はいつだって誰よりも大きい。
『アワセ ト カナタイシ ノ タダケ』以下省略。この変な呪文の言葉は、文字を入れ替えて作ったものです。元の文字に大した意味はありませんが、ちょっとした遊び心です。
シュバルツさんの長台詞。
 
・全ての始まり15…『愛』
アールは議論が苦手なので相手を論破できません。
シドとタケルが手を貸すシーンが好きです。挿絵として描く画力を持っていないのが悔やまれるところ。
 
そして、戦いに終止符。
アールの前にアリアン様が現れます。アリアンとアールの秘密の繋がりが明らかになります。
 
・全ての始まり16…『夢と現実』
アールを取り囲んで銃口が向けられて連行されるシーンは、ずっと描きたかったんですよね。暗鬱な空気は戦いが終わってもまだ続きます。ハッピーエンドなんてあるのでしょうか。
 
・全ての始まり17…『アールの物語』
巡り巡って、ゼンダからアールに眠り薬が差し出されます。エテルネルライトの中で眠るための、眠り薬です。
アールの決断がここで決まります。
 
・全ての始まり18…『誓約』
モーメルの元へ、ヴァイスが訪れます。わりと大事なシーン。
「私はまた、なにも出来ずに大切なものを失うのだな……」
彼の想いはどこへ辿り着くのでしょうか。
そしてカイ。
「みんないなくなるんだ。俺の世界から。」
お気づきかと思いますが、終盤に差し掛かるにあたってそれぞれ「自分の世界」について考えることが増えていきました。自分の世界、というのは、その人その人の視点から見えている世界、その人その人が主人公になった世界のことです。
 
・全ての始まり19…『残り時間』
ゼンダさんのお心遣いで、アールはこの世界でやり残したことをはじめます。
お供にデリックを連れて。
デリックとアールの会話は好きなものが多いので、読んでくださると嬉しいです。
 
・全ての始まり20…『クロエの町』
シドが書き残したメモがアールの手に渡ります。
クロエの町に花を。好きなシーンです。
 
・全ての始まり21…『残された意思』
シドが書き残したメモの内容が明らかに。まさかのあいつ宛。好きなシーンです。
 
・全ての始まり22…『メッセージ』
アールが仲間たちにメッセージを書き残します。
そして
「……いるんだろ。お嬢の心をかき乱す奴が」
デリックがアールの心にいる“誰か”を察します。アールは決して名前を言いませんでした。
デリックがアールを思って問い詰めるシーンが好きです。
女に手が早いけど、いい奴。
 
──というわけで、振り返り(あとがき)は以上となります。
 
残り、最終章。
楽しんでいただけますと嬉しいです。
 
かみかわ


prev | next

top
©kamikawa
Thank you...
- ナノ -