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厨房から明らかに幹部の声が聞こえた。まあ別に明日の飯のリクエストなら幹部権限で好きに注文すれば良いのだが、明らかに注文してる感じじゃない。
だって夜も遅い時間だし何より歌を歌っている。鼻歌とか微かに聞こえるとかじゃなく廊下に元気な歌声が響いてるし時折ヒャフーとかいれてるし。


「たーっまーっごー!まぜまぜーまぜまぜー!」

「……」


しかもよくよく聞けば料理っぽい歌だ。何だあいつ料理なんて出来たのか。意外だ。意外すぎる。
そして次の瞬間に耳を疑った。


「たーっまーっごーっ!もぐもぐーもぐもぐー」

「!?」


混ぜただけでいきなり食事に入りやがっただと!?
待て、生卵飲むな!腹壊す!と厨房を開ければ幹部と目が合った。


「あ」
「あ?」

「まってこれ違うのボス…!小腹がすいちゃって…出来心なんだよ…!深夜にご飯食べるのは初犯!!見逃して!」

「なんだそれ」

「?卵かけご飯」

「……さっきの歌は?」

「卵かけご飯のうた」


意味がわからない。
小腹がすいて卵かけご飯をチョイスする意味もわからなければばれたくないのに厨房の外まで聞こえる声量で歌う意味も分からないし歌うほどの内容がない歌を歌いながら厨房で盗み食いする意味も分からない。


「…ツッコミ所ありすぎるが一言言わせろ。太るぞ」

「ぎゃっ」


腹を鷲掴めば短い悲鳴。
……。思ったより肉ついてるな。つーか腹でてねぇか?ダイエットだな。


「最近運動ちゃんとしてるのにお腹へっこまないし異様にお腹すくしすっぱいもの食べたくなるし…けど食べたら戻すし体調悪いのかも」

「夜中につまみ食いする奴は体調悪く……待て」

「ん?」

「………今月生理来たか?」

「そういえば最近来ないかも。生理不順かな」

「…………。」


結婚記念に一回だけした行為を思い返す。終始騒がしくて痛い痛い喚いていた記憶しかないが…まさか…。
いや、一回で?一回だぞ?確かにゴム付けなかったが……、なんだと!?
慌てて幹部を抱え上げる。


「ぎゃっ!!何すんの!?」

「良いから来い!」

「歩けるよ!おろして!」

「絶対堕ろさせねぇ」

「は?違うってばボスがわたしをおろしてって」

「うるせぇ堕ろすとか言うな黙れ」

「?」


今度は幹部が意味が分からない番だった。






(一夜孕み)


20120928.


Special Thanks 夜明け前
(ありがとうございました!)



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