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日本の片田舎。夜間なんかは特に人が少ないコンビニで、XANXUSは店長をしていた。

「ボス、入荷のトラック来ましたよ」
「商品棚のおにぎりの賞味期限がそろそろ切れるから捨てとくぞぉ」
「新しい商品だー。あっ、ボスが集めてる食玩のシリーズも来たよ!」
「あーうるせえ分かったからさっさと仕事しろ」
「報告・連絡・相談は常にしないと…」
「各個人が把握してれば問題ねぇ。それともテメェらはちまちましたものも自分で片づけられないカスか?クビにするぞ」

なんやかんや、盲目的に慕われているのでこんな傲慢な態度も往々に許されたがいい加減全員被害者意識を持つべきである。
そんなこんなはさておいて、今日も元気にコンビニライフです。以前からよくコピーに来るお客さんが今日もコピーをしています。そして見事に紙詰まり。さっきから何度となく紙を処理してるのに一向に良くならない。なんでだろうなぁ…。首をかしげながら失礼します、とコピー機を弄っていたら、隊長が走ってくる。

「…隊長、店内は狭いんだから走っちゃダメだってあれほど…」
「悪いなぁ。ところでさっきからそれ詰まってるよな」
「うん…おかしいですねぇ」
「それ多分これじゃねぇかぁ?」
「え?」

すると隊長、台紙の棚から紙を取り出してばさーっと、両側、本の先を撫でるように広げてから揃えなおして元に戻したら、今度は紙詰まりが起きない。

「…なにしたんです?」
「新しく下ろした紙って静電気でくっついちまってることがあるんだぁ。だから新しい紙を台紙棚に入れるときは一回バサッと空気いれてからやった方がすんなりはがれるぜぇ」
「……そうですか」

もうこの気配りのでき加減はさすがボスに鍛えられたと言っていいんだろうか。
そして当のボスはと言えば、レジを幹部に丸投げしてスライム肉まん食べていた。ちょ、それ数が少ないんだからたべないでください…!幹部もフランと並んで気にした風もなく接客している。フランが袋に詰めている間に幹部が左手でレジを打ちお金を受け取り店内であったらしい何がしかの騒動がインカムから聞こえたらしく指示を与えながらレシートとお釣りを渡している。最後は良い笑顔で、「ありがとうございましたーっ」と小学生がお礼を言う様に言うものだから、ご高齢のお客さんに「孫みたいでかわいい」と評判である。

「ボス、肉まん食べてないで仕事してください」
「商品台帳に出納記録はつけた」
「えっ、ボス…!」
「レヴィが」
「テメェ!もういいからすっこんでろ!っつーか帰れ!!」
「隊長、言い方があります!お客さんの前なんだから…!」
「お腹減ってるからイライラしてるんじゃない?お客さん少ないし休憩入っていいよースクアーロ、先輩」
「……、」
「う、うん。行きましょうか隊長」
「じゃあ幹部先輩とミーは二人っきりですねー。ミーが手取り足取り腰とりいろんなこと教えてあげますー」
「フラン、ボスがいることを忘れないでね」

幹部、隊長とボスの扱いに慣れてきた…!?まあとにかくありがたく休憩室でご飯を食べながら、しばらくしてちらっと店内を伺えば、



「こいつの命が惜しければ金を出せぇえ!!」


レジで幹部がコンビニ強盗にあっていた。

うわああああ、幹部うぅぅう!!と思って助けに行かなきゃと席を立とうとしたら幹部はにこにこしながら対応している。


「あ、コンビニ強盗の方?」
「えっ」
「ちょっと待っててね。ボスー、コンビニ強盗だってー」
「あ?」

ぷつっ、と音がして店内放送とつながる。

「えー、お客様。ただ今当店はコンビニ強盗に遭っております。慌てず落ち着いて壁際に避難してください!」
「ちょ、」
「ちなみに強盗だと何万円コースですか?」
「…え?」
「いくら強盗する予定?」
「ふざけてんのか!?あるだけ出せ!!」

激昂したコンビニ強盗が幹部に向かって包丁を振り上げた──瞬間。ズガンッ!狭い店内に銃声が響き、血まみれになった手とぐあああっ!という声が響く。その隙に幹部がカウンターを飛び越えて上段回し蹴り。おにぎりの棚に頭から突っ込んで昏倒した強盗の頭にボスが蹴りを入れ、フィニッシュ。
幹部が強盗を引きずり出してからまたしても店内アナウンスが流れる。

「えー、皆様、ただ今のは昨今増えるコンビニ強盗に対する予行演習ですー。ご協力ありがとうございましたー」


「………。」
「最近物騒だなぁ…」
「そうですね…(どうしよう、ここの店員が誰より物騒だなんていっちゃいけないんだろうか…)」





(ヴァリアー支店またお手柄だってよー)(特殊警官並みの戦闘技術の持ち主が集まってるよなー)


20120602.


Special Thanks 夜明け前
(とある賭けに勝っていただきました。笑)
(ありがとうございます!)



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