ちょんちょん。
と背中をつつかれたような気がした。
今は授業中だっつの・・・。と思いつつ、眠気に負けそうだった自分もあまり人のことは言えない。
ああねむい。ねむすぎる。
ちょんちょんちょん。
「うっせ!」
ねむいんですよ、私は!
後ろを向いて小声で反論をしてみる。
黒板の前の先生を見てみると、教科書を読み上げるばかりで生徒を気にしちゃいない。
んじゃいっか。
はぁ、と溜め息をついて後ろを振り向けば犬寺がシャーペンをこちらに近づけようとしていた。貴様・・・またつつこうとしておったな・・・・・・!
「犬寺ぁ・・・そのシャーペン折ったろうかぁ?」
ぶんぶん、と首を横に振る犬寺は相変わらずいつも通りの無表情で少しむかつく。
しかも口がもごもごしてるあたりから、何か食ってるよこいつ。絶対。
・・・ガムかアメあたりか?
「?・・・みょうじも食べる?」
・・・・・・。うわぁ、いみわかんねえこいつ・・・・・・。
おまえなぁ、
「えと・・・・・・一応今、授業。Can you understand?」
「・・・あい、あんだーすたんど。」
あっそ。てか、意外とノリいいのなお前。
・・・・・・無表情でひらがな発音で言われてもアレだけど。
つか食べるって結局それガムなの?アメなの?
わけわかんないもの食わせんなよ・・・。
はぁ、ともっかい溜め息をついて犬寺を見ればなんだか知らんがズボンのポケットから何か探してるみたい。一体今度は何だって言うんだよ。
ちらりと先生の方を見てみると教科書から顔をあげていた。
ってやべえ!
こっち見てるこっち見てるうおおおお!?
「みょうじ!前を向け!」
「・・・・・・すいません。」
ちくしょう。犬寺ァアア。
恨むぞコラ。
倉田も笑ってんじゃねぇぞ。後でシメる。決定。
くっそ。板書もかなり進んでるしさあ。
ちょんちょん、ちょん。
・・・・・振り向かねーぞ。もう。
ちょん。
「おいっおまえ本当になぶふっ!?」
あんまりにしつこいから仕方なく振り向けば、瞬時に口に何かを突っ込まれる。
犬寺の手によって。
「・・・・・・ごめん。」
無表情で呟く犬寺。
ああもうこいつは。
・・・あますぎるっつの。・・・・・・アメ。
なんだかんだ言っても甘いのです
斉木さん曰く、「授業中にアイツら何やってんの。」
・・・・・・仰るとおりで。
----------------------------
本当に何やってるんだ。ちなみにアメは苺味だとか。
口の悪いような気だるげヒロインが書きたかっただけ。
初の浅倉夢。
(20110504)
[ 2/27 ][prev] [next]
[mokuji]
[しおりを挟む]