■禁欲の罰A

4月21日 17:00 廃校跡

あれから5年の歳月が過ぎた

今まで完璧にノートに記してきた彼女の成長記録も
全てはこの一冊から始まったのに、空白のままだ

彼女に会えるはずもないのに、時折
廃校になった学校跡へと定期的に足を運んでしまう

再び彼女を欲したが為に
同じ母親の同一条件で実験を繰り返した
顔や頭脳はそのままのコピーといっていい

だけど、あの同じ高校にいた沙羅とは何かが違う

自分に向けられた少ない笑顔が、こんなにも
自分の首を締め付けられることになるとは

沙羅の人工知能に搭載してあるGPSが示すのは
研究所とも繋がりのある都内の某大学総合病院

沙羅が軟禁されている病室はおそらく
他の研究者の厳重な監視体制の元
安易に自分が足を踏み入れられる場所ではない

それにまさかあの生徒会長、片瀬が
あの病院の院長の息子だったとは
本来は自分の愛玩具として産み出した沙羅を
ある男に大金で脅されるままに手放してしまった


ーそれが、全ての過ちだったー


怒りのままに自分をナイフ刺した歩夢も
もう釈放されたと聞いたがいまだ行方不明

ただ確実なのは
沙羅はまだ生きているということ

「ん、今日も元気だね沙羅
ちょっと出かけてくるから良い子にしてるんだよ
じゃあね、また来るよ」

片瀬は沙羅の額を優しく撫でて
面会謝絶の無菌室を後にした

全身をチューブに繋がれている沙羅は
ほぼ1日中眠ったままの状態

片瀬との性行為によって息を吹き返すという
意味不明な荒治療に医者が立ち入ることも
研究者が口を出すこともなくなった

片瀬の意のままに媚薬も種類と量を増やして
沙羅はもはや薬物中毒に陥っていた
深夜の病院を徘徊しては発狂したり
監視役でさえお手上げ状態だった

『ごーしゅーじんーさまーはー?』

「沙羅さん、今日はもう遅いので
早く病室へお戻り下さい」

『んーちょっと散歩してくるー!』

いつも病室に軟禁状態で同情していた監視役は
久しぶりに元気に歩く沙羅の姿に
病院外での散歩を特別に許可した

沙羅は外気の心地良い空気に揺られるままに
身体の動くままに足を進めた
あんなにも縮こまっていた身体が嘘のように動く


4月21日 19:00 廃校跡

一体どれくらい弱ったこの足で歩いただろうか
辺りはすっかり暗くなり、だけど懐かしい気がする

気付けば廃校になっていた高校へと足を運んでいた

「…久しぶり、少し大人びたね」

『…し、椎名…先生?』

どこからか、聞き慣れた懐かしい声が
優しい風と一緒に染みてくる

決して運命の再会なんかじゃない

椎名と沙羅を引き寄せたのは
沙羅の自分の意思でも何でもなく
所詮最初に仕組まれた電磁波のようなもの

それでも椎名は喜びは隠しきれず
待ち望んでいた沙羅を力一杯抱きしめた

『せ、先生…?どうされたんですか…?』

「ずっと、待ってた…会いたかった…」

沙羅は涙を溢れさせる椎名を前に
思わずフッと笑いがこぼれた
指先で椎名の涙を拭いながら
遠くを見つめ呟いた

『私も、ずっとずーっと長い夢を
見ていたような気がします…』

椎名は沙羅にかまわず感情を抑えきれずに
小さな薄紅色の唇をそっと塞いだ

かつて自分の欲の為に造ったただの愛玩具が
今はこんなにも愛おしく思う
大事にしたいという気持ちでいっぱいになるなんて

長い長いキスの後、椎名は最後の確認をした

「ホントに、いいんだな…?」

沙羅はこくりと頷くと、合図と受け取るように
もう一度唇に触れて、何度も短いキスを交わした

それから首筋や胸の膨らみへと舌を這わせ
超絶美少女の白い柔肌に、恥ずかしさに悶える表情
吐息を漏らす沙羅に、椎名は息を飲んだ

「沙羅、綺麗だ…大好きだよ沙羅…」

『…そんなに、見ないで下さい…恥ずかしいっ』

「いや…綺麗な沙羅をもっと見たいんだ…」

手で体を隠そうとする沙羅の両手を掴み
椎名はあっという間に華奢な身体を押し倒して
純白のブラを舌で噛み外す

予想外の膨らみに思わずニヤけながらも
胸元から滑り込んだ手が直に胸に触れる

胸にある無防備な二つの可愛らしい突起
そこはまだ何もされてないのに
ピンク色から淫らに赤く尖っていた

「ピクピクしてる、本当に綺麗で、可愛い…」

乳房を掴まれ乳首を優しく擦られ
最後にその小さな尖りを口に咥えた

『…ぁああっ』

軽く摘まれてひと舐めされただけで
身体中に激しい快楽の波が走り
強く捻られると抑えきれず叫声を出してしまう
それをよく知っている主は乳首をじっくりと責める

次第に片瀬は息を荒げながら、秘部に顔を近付けた
甘い蜜をチラつかせている、ピンク色の花弁を開き
そこにもまた舌を這わせて挿入してみると
沙羅は全身をピクピクッと痙攣させる

イイとけろも弱いとこも全てを知っている製造主

『あっ!ダメっ…そこっっ…ぁんっ!』

「だめ、沙羅の身体、全部を見せて…」

『い、いじわる……ぅっ!』

上下左右とじっくり舌を這わせながら
敏感な場所や指の届く奥まで弄る
1本でもキツキツで昔と変わらない締め付けに
椎名は思わず感嘆の声を漏らした

「沙羅は相変わらず狭いなぁ
これでは僕のはまだ入らない…」

椎名はさらに膣内で指を折り曲げ
内壁を何度も擦って蜜を溢れさせる
本数を中指と薬指の二本に増やして
室内にぐちょぐちょと淫らな水音を響かせた

『あっ…もっ…せんせっ…イっちゃう!!!』

指を引き抜かれた瞬間、同時にプシャっと音を立て
透明な潮を噴き出した沙羅

一度絶頂を感じた身体は敏感になって
全身が性感帯になったかのような疼きが止まらない

我慢し切れずにスーツの上から盛る椎名の肉棒を
沙羅はギュッと手掴みで股間部に絡ませた
先端から溢れる汁がじわっと秘部まで染みて伝い
沙羅の欲情は限界まで達していた

「沙羅は相変わらずせっかちだなぁ」

『せ、先生こそ…っ!もう限界じゃないですか?』

「全く困った子だね…ちゃんと言って、沙羅
先生の太くて固いペニスを、イヤラシイ沙羅の
オ◯ンコへ突き刺して下さいって…」

椎名の思わぬ指令に顔を真っ赤に火照らせ
沙羅は息をふーっと吐き出した
少し間は空あくも、素直な欲望には抗えない

『せ…先生の太くて固いペ…ニスをイヤ…ラシイ
私のオ◯ンコへ、つっ突き…下さいっ…!』

図星を突かれて強がってはいられなかった椎名も
沙羅のありのままの心持ちを聞き出すと
入り口にあてがっていた肉棒を
そのままゆっくりと押し進めた

くちゅっ…ちゅぷっ…

沙羅は剥き出しの小さな蜜穴を
目一杯拡げて獰猛な男根を受け入れて
あまりの圧迫感に麗しい顔を歪ませる

椎名はそんな沙羅に気を遣い
最初はゆっくりとしたストロークで
ナカを押し拡げるように腰を使う

まずは亀頭で入り口を慣らしてから
抜け出るギリギリまでぺニスを抜いて
結合部を拡げるようにズボズボと回転させる

それから徐々に奥の方まで貫き自身を全て沈めると
沙羅の腰骨に股間をピッタリと密着させて
肉壁をマッサージするように小刻みに突く

次第に締め付けられる快感に抑えが効かず
ピストンを早めて圧を掛けながら
ソレは最奥の子宮口まで達してしまう

『あぁぅっ…ぁああああああっ!』

奥の奥まで突かれた刺激に沙羅は
一際大きな嬌声を上げた

もう互いに相手を気遣う余裕などなく
欲望のままにガツガツと身体の奥を抉られ
愛と熱のこもったセックスの悦びを
沙羅は初めて知った

好意を寄せる相手に優しく焦らされて
自分を知り尽くしている最上の快感を与えられ
沙羅はかつてない快感に酔いしれる

『んっ…はっ…せんせっ…激しっ…!』

「沙羅の望むままにもっと奥まで
激しく掻き回してあげるからね…っ!」

椎名の額には汗が浮かび、長めの黒髪を振り乱し
全身で沙羅の身体に楔を打ち込むかのような
ストロークが段々と早くなってきた矢先

『先生との…赤ちゃんがぁっ…欲しいです…っ!』

ぱ…んっ…

大きく突き込んだせいで響く音を最後に
一瞬、部屋が静まりかえる
沙羅から予想だにしないセリフが聞こえ
思わず椎名は腰の動きを止めた

『私、病院で…聞いたんです
今の私の体じゃ赤ちゃん出来ないって
でも、私をつくってくれた先生なら
どうにかしてくれるでしょう…?』

「……あ、ああ、絶対に、僕達の子供…作ろう」

長い沈黙の後、椎名はゆっくりと口を開いた
今まで沙羅の症状を事細かく記してきた
ノートやカルテ、研究結果を元に
沙羅の妊娠を絶対に可能にしてみせる

たとえこの先、膨大な時間がかかろうとも

絶対に沙羅が生きた証を残す

自分が生み出した娘のような存在だろうが
この先は世間から白い目で見られようが
そんなことはどうだっていい


誰もいない埃まみれの廃教室
立ち入り禁止の看板を掲げるその場所は
二人にとっての楽園であり
これからはじまる長い地獄の入り口だった


※舞台が変わった続編(非エロ)執筆中

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