すれ違いコント

なんだか、頭が重くてダルい。
「うぇええぇ…」
ボクはいつも以上にフラフラ歩きながら、廊下を進む。
なんか、まっすぐ歩けてない気がする。
いやいつもだけど!いつも以上に歩けてない気がする!!
そうやって歩いてたら、ボスッと何かにぶつかった。
真っ黒い壁…。
「学校が真っ黒になった…?」
「随分と頭の具合が悪いようであられますな」
…ん?
学校が喋った!
しかもエスパーだすごい!!
「そうなんだ…頭が重いんだよぉ…学校さん…」
寄りかかったまま答える。
あー…すごい楽…。
「…保健室に行かれては如何ですかな」
保健室…。
「…人体模型怖いからヤダ」
「…人体模型があるのは理科準備室であります故」
…断る理由なくなっちゃった。
「遠いから学校さん連れてって…」
「あと十メートルもありませんが」
…遠い。
「ボクには遠すぎるよぉ…」
そう言うと学校さんは押し黙った。
…あ、学校さん動けない!
…仕方ない…。
「…よぉし、ボクがんばってみっ!?」
タワーオブなんとか!!!みたいになんかヒュッてなった!!
あとお腹苦しい!!!
「仕方がありませんな」
お腹の横らへんから、学校さんの声がする。
「連れてってくれるの?やったーぁ…うぇ」
頭重いぃ…。
そんな重ーい頭よか上の方で、何だか学校さんのため息が聞こえた気がした。

「失礼致します」
「珍しいですね久楼先生、…と…肩のは…」

「…?」
…あれ、ここどこだろ。
白いカーテン…白いシーツ…病院?
ないないないないそれはない。
記憶行方不明で病院に入れられちゃうようなことしてない。たぶん。
えっと…ボクは確か…学校さんに…保健室!
「…せんせ?」
「!」
出かかった言葉を喉元で寸止めする。
びっくりしたぁ…。
「一つお聞きしたい事がありまして」
…えっと…さっきの声は…女の子!
で、この声は…えっと…化学の…す、す、す…スルメ木?…なんか違うな。
なんだっけ…なんだっけ…!
それはさておき!とりあえず盗み聞きを続けよう。
「数日前、猫先生が猫市さんにそっくりな子に襲われたと言ってまして」
「っ…!」
「?」
襲われた?
猫先生…バニラの先生か…。
ボクあんまりバニラ好きじゃないんだよなぁ…香水変えないのかなあの先生…。
それにしてもあの先生が襲われるって…最近のカツアゲ怖いなぁ…。
この声の子…あれ、今さっき名前言ってたのに…何だっけ。…まぁとにかく!絶対女の子なのに…最近の女の子って、怖い。
ボクも気をつけよ。
「あなたは何を隠しているのですか?」
…え?
ま、まさか…この隣の子が犯人!?
そんな…いや!女の子を、しかもおんなじ学校の生徒の女の子を疑うなんてよくないぞボク!!フェミニスト失格!
きっとスルメ木…化学の先生が勘違いしてるんだ!もしくはバニラの先生!!
そうやって一生懸命頭を振ったら脳みそがシェイクされたみたいになって、ボクはベッドに倒れ込んだ。


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