まぁいっか

「七不思議?」
紙パック牛乳のストローから口を離して、ボクは首をかしげた。
「そうそう、よく言えました」
「日本語は喋れるよ!?」
「で、それが?」
「この学校、あるらしい」
「えぇええぇ!!?」
「さっすが夕哉!良い反応してくれんなぁ。それに比べて有ちゃんは…」
「だって知ってたし」
いつも通り喜一クンと有坂クンとダラダラ過ごす放課後。
「あれ?喜一クン部活…」
「今日はなしっ」
「逝けば良かったのにな」
「やだ有ちゃん大胆」
「そういう意味じゃねぇよ!!つかどう聞いたらそう聞こえるんだよ!」
「?」
話に全然ついてけない。
「部活に行く以外に意味があるの?」
「ほら、夕哉が全然理解してねぇだろ」
「そんなにピュア!?」
「えっ!?なにが!!?」
「…ちょっとこれから体育倉庫にっ!!」
「うぇええぇっ!!!」
すごい速さでボクの両肩掴んだ喜一クンのこめかみを、すごい速さで有坂クンが殴った。
「相変わらず愛が痛いぜ…」
「喜一クンだいじょぶ?」
「で、七不思議の内訳は?」
「えーっと、な…!?」
喜一クンが喋り出した途端、足元からものすごい揺れが来た。
がっくんがっくんする!なんか机飛びそう!!
「じ、地震!?だよね!!?」
「そこはわかれよ!!」
「でかいな…」
なんか有坂クンすごく落ち着いてる!?
「そんなに驚くほどじゃ…!?」
…ば、爆発、した。
なんか、爆発した!!!
「み、耳がぁ!!耳がぁああ!!!」
「非常事態にふざけんな喜一!」
「今の轟音はやばいだろ!?…今度は停電かよ…どうなって」
「うぇええぇえっ!!!暗い暗い暗い暗いぃいいいぃいいっ!!!!」
「お前も落ち着けアホっ!!」
「いだっ!?有ちゃん!?」
「すまん暗いから間違えた」
暗くてよく見えないけど有坂クンが喜一クンはたいたみたい。
「すっげぇ棒読み!!あんな大声で喚いてるのに間違えるか普通!!?…責任は体で」
…あれ…?
「ね、ねぇねぇ二人とも」
「夕哉、俺のセリフ遮ってそんなに楽しいか?」
「え?ご、ごめんなさい…?」
「よーしよしよしきちんと謝れて偉いな夕哉はー!」
「うぇ、うぇ」
頭ぐしゃぐしゃんなるからやめてよ喜一クンんっ!!
「なぁおい」
あ。
有坂クンが外見てる!まずい!!
「あ、あのねっ」
「空、おかしくねぇか」
「うぁあああぁああああ!!!ボクのが先に気づいてたのにぃいいぃいいい!!!!喜一クンが遮るからぁああぁあああ!!!」
「俺のせいぃいい!?」
「ほら喜一謝れよ」
「うぇええぇ…バスで降りるボタン先に押された並にショックだ…」
「いやそんなにショックじゃないだろそれ」
「ショックなの!!ボクにとっては絶望なの!!!」
「お前の絶望軽いな!」
「おい静かにしろ」
「ん?」
「うぇ?」
…たぶん人差し指口の前に立ててんだろうけど全然わかんないよ有坂クン。
「何か、放送流れてる」
そう言われて、ボクと喜一クンはそろってスピーカーの方を向く。

『――――生きてる人間は――速やかに―し―――ましょう―――繰り返―――』

「聞こえない!」
「諦めんな!お前はやれば出来る子だよ夕哉!!」
「だからコントしてんじゃねぇよ」
「だぁっ!だからなんで俺だけ叩くかな有ちゃん!?」
「ノリ?」
「ノリ!?」

「きゃあぁああぁっ!!!」

そんな風に騒いでたら、廊下の方から、女の子の悲鳴が聞こえた。
「大丈夫!!?あ、志麻チャン!大丈夫!?」
からダッシュで廊下に出た。
「はぇええぇええ!!!」
「体育で使えよその俊敏性」
教室からなんか聞こえるけど気にしない!もうずっと言われ続けてるから気にしない!!
頭を左右にブンブン振って声を振り払ってから、廊下で座り込んでる志麻チャンに手を差し出す。
「だいじょぶ?」
「え、えぇ…ちょっと…放送で聞こえてきた笑い声にびっくりしただけよ…」
「志麻も巻き込まれたってことか…」
「どうなってんだろな、一体」
…うーん…。

まぁいっか、今んとこ。

喜一「ま、とりあえずは教室でじっとしとくか」
有坂「なんかあったら先生が来るだろ」
夕哉「そーだねぇ」
志麻「えっ…?」
喜一「お、教室電気点く」
夕哉「やったぁああっ!!!」
有坂「うるせえよ」
ベシッ!
喜一「だから何で俺!?」
有坂「暇だしトランプでもやるか」
夕哉「ポーカーポーカー!!」
有坂「じゃあ大貧民な」
夕哉「なんで!!?」
有坂「志麻には特別ルールジョーカー2枚。で、スペ3なしな」
喜一・夕哉「「了解!」」
志麻「あ、ありがと…(い、いいのかしら…?これで…?)」

[ 5/18 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -