「ベルゼブブさん!」

「なんですか…うわっ」



駆けてきたと思ったら、思いきり抱きつかれた。
普段では考えられない積極性とその勢いによろめきながらも、しっかりと受け止める。
何かあったんですか、そう問いかけても頭を振るだけで答えはない。
仕方ないので受け止めた体を抱き返すと、ぴく、さくまさんの肩が揺れた。



「嫌がらないんですか?」

「嫌がってほしかったんですか?」

「…意地悪ですね」

「さくまさんこそ」




そんな遠回しな言葉。ナンセンスじゃありませんか?
分かりきっていることを確認しようなんて馬鹿馬鹿しい、けれどまあ嫌じゃない。
そんな風に思えるのは、貴女だからなんですよね。きっと。



「好きですよ、さくまさん」

「うわ、それずるいです」

「なんとでも」



知ってますよ、わかっているつもりです。可愛いじゃないですか。
胸にいだく温もりを。
せっかく向こうからやって来てくれたのだ、離してなんかやらないから。覚悟しとけよビチクソ女。






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普通に人型べーやん
べーさくがいとしいです