■サラリーマンを犯す話

 電車の揺れとともに鳴る水音。その遠慮ない衝撃がわざとなのか、電車の揺れのせいなのかはわからない。
「ふっ…んんッ…」
いつも通り終電間際の電車は人が疎らだった。席に座れないこともないが、そんなに長く乗るわけでもないためつり革に捕まって立っていたのが悪いのか。…俺のアナルは知らない男の太い指を挿れられていた。
 出したくもない声が自然と漏れる。やめてください、だとか通報しますよ、だとか拒絶を訴えたいのに口を開けば自分の声ではないような声が出てしまう。唇を噛みしめ、耐え続けた。
「クッ…ん、ふ…ッ…!」
男の指がなにかを掠め、腰が跳ねあがる。男の熱い息がうなじにかかり、興奮していることがわかる。後ろから男の勃起したものが腰に押し付けられ気持ちが悪い。
 気持ち良いはずがないのに、視界は潤み、声がでる。腰は男の指を強請るように動いて、爪先だけで立っていた。ふと目の前に座っていた若い男を見ると、俺を見て勃起させたモノをしごいている。目の前の男に俺の痴態を見つめられ、その熱視線に焼けてしまいそうだった。すでに着ていたスーツの下は足元まで下げられ、下着とともにぐしゃぐしゃだ。男の太い指が抜けて後孔がヒクついた。
 ずぶぶぶッ…!
「ッああああ”ッ…!い”ッ、たいィっ…んあ”ッ…ッ…!」
 途端に後ろから男の太い肉棒が挿りこんできた。熱いモノが閉じた粘膜がべりべりと拓くように押し進んでくる。痛い、痛くてたまらない。必死に抑えていた口は開き唾液が垂れ、痛みに耐えられず涙が溢れる。顔はもうぐちゃぐちゃだった。必死につり革に捕まっているものの、自分の腰はくだけて力なんて入らない。男の両手に腰を支えられてなんとか立っているような状態だった。
「あ”ッ!んんッが、もう、も、やめてッ…!や、だあ、あ…ッ!」
男は嫌だ、やめてという俺をあざ笑うように後ろから突いてくる。どこから出したのか、ローションを結合部に垂らして粘膜を抉る。
ずぶずぶ、ごりッずぶぐぷっ
「君、淫乱さんだね? 普通はこんなに簡単に挿らないのにすごい美味しそうに俺のモノ咥え込んでる…」
「ち、ちが…ッこんな、ッんシたことなッ…!あっ!」
「本当に? じゃあ俺が君の処女貰っちゃたの…? …すっごい興奮する」
男に処女なんて概念はないはずなのに、卑猥な言葉を耳に吹きかけられて腰がどんどん重くなっていく。熱を帯びた質量が欲を待つ肉壁をごりごりと抉り、足元が痙攣している。
 こんなことしたくないのに、腰を掴む大きな両手が食い込んで逃がしてくれなかった。とうとう波のように押し寄せる快楽に負けそうになる。認めたくないのに、後ろから突かれて感じている自分が素直になってしまえと囁いた。
「ヒッ…!ああああッ…!あ、あ、アッ…!」
「電車の中なのに、そんな声だしてもいいの?」
 クスクスと笑われ、途端に羞恥心が襲ってくる。周りを見ると男達がこちらをじっと見ていた。
 するり、と掴んでいたつり革から指が外れて上半身が崩れ落ちる。腰は掴まれているため崩れることはなかったが、視線のすぐ先に男の完勃ちしたモノがあった。
「はッ…!ん、あああッふ、むっ!むぐっ…!ぐ、ぐッ…ッ!」
座っていた男に顔を掴まれ、咥えさせられる。喉奥まで入り込んできた熱量に嘔吐き、胃の中のものをひっくり返しそうになる。
「イラマチオされながら後ろ突かれるってどんな気分…? 君のマンコはすっごい喜んでキュウキュウ絞めてくるよ。もしかして、ドM?」
後ろの熱がどんどん膨らんでくるのがわかる。激しいストロークに身体が耐えられず前に押し出される度に喉奥をさらに抉られる。酸素が足りず、意識がだんだんと朦朧としてその浮遊感に指先が震えた。
「ふッん、ふ、むッ…ッ…」
「射精すぞ…!クッ…!」
男が果てる。どくどくとナカで熱いものが暴れまわっている。下腹部がじんわりとした熱に包まれ、未だピクピクと震える肉棒を粘膜がもっとくれと締め付けているのがわかった。
 しばらくして、ドロドロの中を一度かき混ぜ名残惜しいとでもいうのかゆっくりと出ていった男に安堵していると今度は違う男が後孔に挿りこんできた。
「アッも、むッ!りィ”ッ…あッあ、」
「あ〜〜ッ名器だなァ…オッサンの後は気に食わねえが、イイ感じに解れてて最高だぜ…」
ガンガンと勢い良く後ろを突かれる。快楽に脳みそが染まりきって絶頂を迎えたいと腰がうねる。先程まで挿入していた男がイラマチオを続ける俺の耳をくちゅくちゅと弄り始めた。舌が挿り込んで、脳みそを直接かき混ぜられているようだった。片方の耳は指で音を遮断するように栓されて、敏感な耳の中を弄られる。

「ッ…!射精るッ…!」
 急に喉奥まで入り込んだ男根が、ビクついて熱いモノが胃に直接流し込まされた。何が起こったのかわからず、ねばついてなかなか飲み込めない液体を溺れないために必死に飲み込む。ごくッ…ごく、ごくん…喉を鳴らして飲み下していく。
「…ッ…アッ、」
解放された口は閉じず、卑猥な声が電車内に響く。後ろから突いていた男が俺の身体を易々と持ち上げた。その瞬間奥の方まで挿入された肉棒に息が止まる。
「ひっ…!ああああッ!あッ!だ、めぇッおく、奥まで入ってきたぁッ…!」
そのまま座らされて、正常位の体位で再び激しい律動が始まった。男は俺の臍に太い指を入れ、にやりと笑う。
「ここまで挿ってるの、わかるか? 奥を突く度、俺のチンコの形がわかるぜ」
薄い腹がぼこりと膨らんでいるのは錯覚だろうか。唸る粘膜を黙らせるように抉り続ける太い熱がゆっくりと奥をこじ開けようとしている。
ずぶっずぷぷッ…
「あ”あ”ッ…!も、挿らない、ッ挿らないか、らぁッ!!」
「挿りそうだぜ? ほら、お前の子宮が降りてきて挿入してくれっておねだりしてきてるよ」
ずぶっ、ごぽッ、ご、ごッ!ごッッ!
 他の男が分厚い掌で下腹部をぐっと押した。
「あ、あ、…ッあ、あーッ!あーッ」
ぐぽっぐぽぅ…!
「拓いちまったな…?」
 結腸を拓かれた瞬間、射精をしていた。腹が自信が吐き出した白濁で汚されている。絶頂を迎えたというのに未だ張りつめた肉棒で激しく動き始めた。暴力的な絶頂点から降りることができないまま喘ぎ、善がる。周囲の男達はその痴態をおかずに自身を慰めたり、赤く熟れた耳を弄り、痙攣し続ける手で自身の男根を握らせ、ピンと伸びた足で自慰をした。
「ああッ!も、や、や、は、なのにィッ!い、ああッ、もう、もうイったからッ!」

結腸を抜けた男の熱が本来ならば挿り込んではならない部分を苛め、再び絶頂へと導こうとしている。薄い腹が出入りする質量に合わせてボコボコと動いている。喉を逸らし、腰をくねらせても背もたれが邪魔をしてその快楽から逃げることができない。
「も、やめてぇッや、だはっあーッ!!ッ!ぐ、あ”ッ」
ついに怒張が限界を迎え、肉襞を抜けた先に吐精をする。びゅうびゅうと勢いよく粘膜に熱い熱い精液が叩きつけられ、敏感な結腸が絶頂の先を迎えた。
「あ〜〜〜ッッ!あ”、ッッあ、つい〜〜ッ!も、や、ぁッ…ッ…ッ」
奥で震える肉棒をまじまじと感じる。あれだけ派手にイったというのに、鈴口をヒクつかせ先程射精したものがトロトロと垂れるだけで、精子がでてこない。未だないはずの子宮がヒクついて身体の熱が収まることを知らない。周囲の男らが見ても、この男が熱を欲していることは明かだった。
 
 俺が本来降りるはずだった駅が通りすぎていく。いつまでも続くこの喜劇のせいで、夜が明けることはなさそうだ。

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