ノボ主♀+クダカミ
「やっぱり今年も貴方は…」
「え、えへ?」
これでも頑張ったんだよと弁解しているが何処がどう変わっているのか判らない。
お節の準備も途中だというのにどうやら又終わらずに年を越してしまいそうである。
思わず溜め息を吐いた時、玄関のチャイムが鳴った。
「どちらさまで…おや」
出てみるとそこには防寒(とマスコミ)対策ばっちりのカミツレ様。更にその影からひょこりと小さな影がのぞいていた。
「トウコ様まで!どうなさったのですか」
「どうせクダリが足引っ張って掃除終わってないと思ったから手伝いに。そしたらたまたまトウコと会って」
「ノボリさん達いつも忙しいから年末大変かな、って」
「すみません、お気遣い痛み入ります」
困った時はお互い様、と顔を綻ばせるお二方を家に招き入れる。バチュルをボールから出して遊んでいたクダリを一睨み。バチュルと共に縮み上がったクダリを見て後ろで二人分のクスクス笑いが聞こえた。
「では申し訳ありませんがカミツレ様はクダリの掃除を、トウコ様は私の手伝いをして頂けると助かります」
「ほらクダリ、片付けるわよ!」
「うー判ったよ…」
ずるずるとカミツレ様に引きずられていくクダリを見送り、私達も袖を捲った。
「ノボリさん、どうしてこの分け方に?」
「…カミツレ様料理の腕の方が、その」
「…成程」