緑青


細い指先が摘み上げている物体を見て、思わず俺は顔を顰める。

「何だそれは」
「ブルーストロベリー」

見た目的には苺…なのだが、名前の通り青い。とにかく青い。
以前青は食欲を減退させる色だと何かで見たがまさにその通りだと思った。

「よくそんな真っ青な苺食えるな」
「失礼ね」

食べてる人に向かってそういうこと言う、とブルーはぷりぷりと怒りを露わにする。

「グリーンてばロマンがないんだから」

何故たかが苺でロマンだ何だと言われなければならないのか。
その鮮やか過ぎる青と対照的に、もう一口齧ろうと開かれた唇とその舌が真っ赤に見えた。
正直、青い苺なんかよりよっぽど魅力的である。
考えるより先に体を前に乗り出した。

「え、ちょ…!」

その赤と青に、同時に食らいつく。


ブルーストロベリー


味自体はよく判らなかったが、再び距離を保った時彼女の頬も真っ赤であったことを補足しておく。






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -