旧短編集(ゲーム) | ナノ

ハニーゴールドに沈む





ソファーに横たわったままぐいと頭の方向を変えると、きらきらした金色が目に留まった。
念入りに手入れされたそれは彼女が動く度にさらさらと流れる。
その動きに合わせて光の粒が舞う光景は何時見ても綺麗だ。

「カミツレは、さ、」

声をかけると彼女は雑誌に向けていた視線を此方に移し、起きてたの、と呟いた。
その問い掛けに欠伸を一つ噛み殺してからうーとかあーとか唸りに近い返事をする。

「髪、伸ばしたりしないの」
「…クダリは長い方が好みなのかしら」
切り揃えられた襟足を弄りつつ彼女がそう切り返した。質問したのは僕なんだけどな、まあいいか。
正直彼女のロングヘアーなんて想像出来ない。
昔から見慣れているというのもあるが、きっと彼女にはショートが似合うから。

「今の、ままが良いよ」

僕の答えに彼女は少し目を細めて微笑んで僕のお腹の上に頭を乗せた。あ、甘い匂いがする。


ハニーゴールドに沈む


お花畑に居るみたいだなぁなんて思いながらとろりと再び襲ってきた眠気に逆らわずに僕はそのまま瞼をくっつけた。






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