仲直りだってお手の物 | ナノ

ほんのすこし強張った「ただいま」
目も当てられないわたしの「おかえり」

ほんとうはきみの
面倒くさそうにおかえりって言う声の温度とか、吸いつくみたいにまとわりつくくちびる、快活に眉をあげて笑う癖、眠いときぶらぶらと片足を揺らす仕草、俺とおなじシャンプーの匂いのする髪、そんなものだけで
泣けるしせつないしいくらでも死ねるよ

いっそ誰かにあげちゃうよ
●してくれたっていいのよ
どきどきいっちゃう
帰りを待つ人がいるということ
なまえもしらない曲のこと
JAZZ
わたしを待つ2階の明かり
慣れない
だからいつまでも終わりを考える

おれの、きみの、どちらかの
情の深いおひと
のばした小指の先ほども
猶予なく待っているかもしれない御挨拶
ぜったいに嫌わない?
絶対なんてないよ
ただいまの代わりに言わなきゃならなくなることば
糸きり鋏と長い指
きみはきっとこの家を出ていく

そうしたら

この部屋のあたたかさもなくなって、だけどそれだって俺たちのすがたに変わりはなくて、きみの作る味はすこししょっぱいけど優しいままで、俺じゃない誰かにからめる指はまっすぐなままで、クローゼットの中はなにがなんだかわからないくらいごちゃごちゃしたまま

そういう当たり前の、それだけのことがすごく

穏やかな喪失
よるべない糸がほつれて擦り減っていくように、諦めとも納得ともつかないような不揃いな重りがすこしずつ溜まって、あたりは足踏みもできないほど
散らかるばかりのストロング・ゼロ
ままよとばかりに申します
※デフォルト
あたしの特攻隊長
脳の髄からあなたに向いてる
撤退以外の命をください

どうでもいいときはいくらだって飛び出していくの
軽口も揶揄もいくらだって言えるの
ミルクケーキの雨
だいじなときほどいつもどこかでつっかえて
いつかするんと言える日がくるから
待つのは得意だきみのおかげで
ハート貫いて溢れたら
驚くほどきちんとした響きになれるよ
しようのないキッチン
お鼻も踵も高いです
かっさらって野菜生活
鶯と不如帰
ああもう散々いろいろ言ってやろうと思ってたのに全部忘れた
だってさあばかなんだもんお前
センチメンタルショコラオランジュ
貝殻の偏差値
どうしようもなく愛しい喉のわななき

どんなにみっともなく消耗して、擦り減った糸が途切れてしまったって
きみの右手とぼくの右手で何度だって結び直して
ちょっと不恰好になるかもしれないけれど
たとえどうにもならないくらい絡まってしまったって、離れることはないのだから、それはそれで

「で、なにがあったわけ?」
「や、俺ってけっこう愛されてるかもしんないってゆう話」
「はあ?」

俺はお前がすきです、お前も俺がすきです
どうよめちゃくちゃ単純じゃね?
水瓶座のラングドシャ
きみのねごとで充分だ

好き?って聞かれたら好きだと思うし、嫌い?って聞かれたらそんなことねえよって思う。ようはそういうことなんだよ。ばかみたいにシンプルで、あほみたいにまっすぐだ。こんな簡単なこと、おまえならとっくにわかってたはずだろう?



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