1章




2000年前、まだ竜と人が共存していた時代。

その時代はとても長く
平和で穏やかな時間が流れていた。

しかし、次第に竜の力は人間たちの私欲をかきたてた。

竜の力は、無限に続く宇宙のような謎めいた力。
その力があれば、国の一つや二つ、容易く手に入れる事も不可能ではなく
絶対的な権力も得られるだろう。
彼らの血や体内に埋め込まれている宝石は高値で取引ができるという。

そんな共に暮らしていた竜族達を裏切り
長きに渡る竜と人との攻防戦の末、竜族を滅亡へと追いやった。

勝利した人間たちは、竜の残骸から宝石や血を取り出し
売人に売り付け金儲けの術にし
その巨大な竜の体を持ち帰り、力の秘密の研究に使われていたという。

沢山の竜族と
たくさんの人間が犠牲になった。歴史に傷跡を残した大きな戦争。


後に人々はそれを、竜人大戦と呼んだ。



それから月日は流れ・・
大陸から、姿を消したはずの竜の力は
静かに蘇りつつあった。


突然、生まれて間もない子の体に現れる聖痕。
それを不思議がる人
気味が悪いと嘆く人、その反応は様々で
子供の成長と共に、聖痕からは微々たる魔力の力が溢れ出してくるといわれている。


そして、ここ
アルディス大陸の北西に位置するオールフィア王国でも、体に聖痕が現れた者がいた。

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