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02




「…………」

 必死に身を捩ろうとする若いサラリーマンの身体を弄りながら、痴漢グループの男たちがふと無言のまま視線を交わし合ったのはそのときだった。

 目配せを受けた二人の男たちが、拘束した青年の尻肉を思い切り左右に割り開く。

「!?」

 次の瞬間、尻穴に感じた激しい違和感に、悟は大きく背筋を震わせた。

 硬く窄んだ肛門に身体を弄る手以外の何かーー無機物めいた細い何かが突き刺さったかと思うと、突如、尻の中に勢いよく冷たいものが注入されたのだ。

 それが痴漢の手によって直腸に注入された潤滑ジェルであるということは、無論、押さえ込まれた悟に知る術はない。

 青褪めた顔で忙しなく瞬きを繰り返す若いサラリーマンの尻の谷間に、たっぷりと透明なジェルを塗りつけると、青年の背後に陣取った痴漢はジェルに塗れた中指をことさらゆっくりと肛門に突き挿した。

「!」

 緊張に強張って窄まる若いサラリーマンの肛門を、背後に佇む痴漢の硬く長い指が強引にほじくった。

 抉るように指の股まで深々と尻穴に突き立ててはジェルで満ちた直腸を捏ねて掻き回し、幾度となく乱暴に中指をピストンする。

(ああ、嘘だ、そんな……やめてくれ、お願いだからやめてくれ!)

 自分でさえ直接触れたことのない排泄器官を無理矢理抉じ開けられ、悟は思考の中で絶叫した。

 だが、無惨にも痴漢グループの餌食となった若者の懇願は誰にも届かなかった。

 背後の痴漢の中指で犯されている肛門を、別の男の人差し指がゆっくりと抉じ開けた。

 別々の男の中指と人差し指ーー悟自身の意志を踏み躙って強引に銜え込まされた二本の男の指が、ジェルに滑る尻穴をばらばらに蠢いて掻き回す。

 ……ようやく肛門を蹂躙していた痴漢どもの指が引き抜かれたのは、散々擦り上げられた若いサラリーマンの尻穴が熱を帯びてひくつき始めたときだった。

「っ…………」

 男たちの指を拒んで力んでいた青年の大臀筋から、僅かに緊張の色が和らいだ。

 痴漢に口を覆われ、乳頭を弄ばれたまま、疲弊しきった表情を宿した悟がぐったりと目を閉じるーー転瞬、フレームレスの眼鏡の奥で、その双眸がびくりと見開いた。

 未だ左右の痴漢どもに揉みしだかれていた尻の谷間、最前まで指で散々嬲られていた肛門に何かが押しつけられたのだ。

 生温かい人肌の温もりをしたそれは……

「!」

 悟がその正体に思い至るよりも、それは圧倒的な質量を持って若いサラリーマンの尻に押し挿ってきた。



*   *   *



 突如、走行中の電車内に大音量で鳴り響いた携帯電話の着信音に、乗り合わせた乗客の半数が迷惑顔で振り返った。

 慌ててショルダーバックを探ったのは、明るい茶髪をワックスで逆立てた今時の若い男だ。

 ようやく探り当てた携帯の電源を気まずげな顔でオフにすると、不愉快そうに若者を見遣っていた乗客たちが視線を外すーーそれを慎重に確認して、男は目の端で車両の反対側を窺った。

「…………」

 その薄い唇には、嗜虐的な笑みが浮かんでいた。





「ッ…………!」

 痴漢どもの手に哀れなほど大きく左右に割り開かれた白い尻の谷間ーー若いサラリーマンの肛門に、ずっぷりと赤黒い肉棒が突き立てられた。

 いかに男の手で口を塞がれているとはいえ、タイミングよく携帯電話が鳴り響かなかければ、悟の苦鳴は他の乗客の耳にも届いていただろう。

 冷や汗を浮かべて全身の筋肉を強張らせている悟の股間を鷲掴んで身体ごと獲物の腰を抱き込むと、陵辱者ーー背後から青年をレイプしている男は、勃起した逸物をより深々と根元まで嵌め込んだ。

 いつ他の乗客に見咎められるかもわからぬ衆人の中でレイプされているからだろうか?

 それとも、肛門を強引に抉じ開けて直腸を蹂躙する肉竿の太さにショックを受けているのか?

 あるいはその両方かーーきつく肉竿を銜え込む尻孔の極上の締まり具合を、男は陶然と味わった。

 ジェルを注入しなければ挿入すらままならなかったであろう未開の直腸を、ねっとりと逞しい肉竿の幹で擦り上げ、窄まろうとひくつく肛門を容赦なく出入りする。

「……ッ……、ッ……!」

 痴漢グループに押さえつけられた若いサラリーマンの身体が、電気でも通されたかのようにびくびくと痙攣した。

 満員電車の中で獲物をレイプすることに慣れた背後の男が、電車の揺れに合わせて二度、三度と抉るように深く尻を突き上げたのだ。

 続けて、大きく円を描くように直腸に銜え込んだ肉竿を幾度も回され、悟が堪らず太腿を擦り合わせる。




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