自宅用ですか?






「ココさん?『自宅用です』って言うんだよ?」
レジに並んで。この間の答えをココさんに伝えたアタシ。
『贈り物』ですか?の反対の言葉を知らないって言ったココさん。
アタシが前に言った冗談半分の答えは、『ボクが使います』。それだと、流石にココさんも恥ずかしいもんね。


ここは、いつもの雑貨店。
この間ココさんが、こっそりペアのマグカップを買った場所。
あれからそんなに経っていないのに……今度は『お皿も揃えたいな』だって。
ケーキ用とサンドイッチ用とサラダ用と…と当然のように色違いの同じ物を、二つずつ選んでいったココさん。
ココさんってまさかの乙女。って呟いたら『ロマンチストって言ってよ』って。しっかり聞いてるココさんにビックリした。


カゴを受け取った店員さんが、ココさんを赤い顔で見ている。
そんな潤んだ瞳に負けちゃいけない!アタシはわざとらしくココさんの横にくっついて並んだ。
「…贈り物ですか?」
いいえ。
「いえ、」
自宅用です。
「ボクと彼女の物です」
…………
……ココさんっ……?!?!





キミと一緒なら、真実も大胆になる。





「もぅココさんは…『自宅用』って教えたのに……」
「え、でも。それだとちょっと言葉が足りなくないかなって」
「………」
「だって、ボクとかなこちゃんしか使わないんだし」
「………」
「かなこちゃん……怒ってる?」
「だって…」
「な、何?」
「だって…それで紙袋が2つにされちゃったんだよ」
「1つだと重いから……じゃないの?」
「…『こちらがお客さま用です』って渡された…」
「何だか別々に使うみたいだ」
「…そう思われたみたい」
「………」
「………」
「うん。次は『一緒に使う』って足そう」
「ええっ!まだ買うの?!」







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