恋してやんよ!(仮)
円風。最初だけちょっとエロい。最後は甘く。

終始ピロートークです。


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行為の最中風丸はいつも顔を手で覆う。どれだけ喘ぐ声が漏れ聞こえ、快楽に溺れていようとも決して顔を覆う手だけは外そうとしないのだ。その風丸の指を一本一本ゆっくりと無理矢理外して、そこから覗く風丸の表情を見るのが俺の最大の悦びである。「なんで?恥ずかしいの?いやらしい顔見られるのが」、そう問うと風丸は首を横に振って否定の意を表した。ちなみに今も行為の直後であり風丸の声は掠れて出ない。ついでに、心なしか機嫌も悪いようで目を合わせてくれない。今日もまた嫌がる風丸の手を退けたからかな。でも、そんなの隠す風丸が悪いのだ。……なんて。まあ、これは屁理屈だけど。なあんて考えていたら風丸が小さく声を紡ぎだした。「嫌だろ」?「え、何が?」「俺の顔なんて見るの」……?風丸はなんたる勘違いをしているのだろうか。嫌だったらわざわざ見ようなんてしない。それでも、俺が反論する前に風丸は検討違いの妄想みたいな事を並べ立てる。「だって、円堂は女の子が好きだろ?俺なんかの顔見たら萎えちゃうじゃないか」掠れていた筈の風丸の声がだんだんと力強くなってきた。だけど、言われっぱなしでは男が廃る、ってものだろう。
そもそも俺らって付き合ってるはずじゃないか。顔見るだけで萎えてしまうような相手と付き合うほど俺は特異な性癖ではない。「可愛くなくてごめんな。嫌なら嫌、って言ってくれてかまわないから」「ばっかじゃねえの!」おっと、思わず大きな声が出てしまった。急に俺が怒鳴ったものだから風丸は驚いて畏縮してしまっている。加えて少し涙目だ。……うん、かわいい。そうだ、風丸は可愛いのだ。本人がどう思っていようと風丸が可愛いのは事実だから仕方がない。「風丸はかわいいよ。」風丸の目が点になって、それから顔が真っ赤になった。多分、俺の顔も真っ赤。「好きだよ、風丸」付き合ったのもなしくずしな感じだったから、きちんと言葉にしたのは初めてかもしれない。……もしかして、俺、風丸を不安にさせてたのかな。だとしたらコイビト失格だ。「大好き、好き、愛してる」今まで言ってこなかった分を全て言葉にしよう。恥ずかしがっていた風丸の表情は次第にくしゃくしゃになり、果てには泣き出してしまった。え、ええ?「な、なんで泣くんだ?俺なんかした?」「違う、違うんだ…!」首を振りながら風丸は俺の背にぎゅ、と腕を回してきた
。「俺も、好き」

それから、俺たちは飽きるほどお互いに好きと言い続けた。翌朝出来たお揃いの隈にまで愛を感じてしまい、どれだけバカップルなんだろうな、と笑い合える幸せ。


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