で、なにがしたいの?基緑。
比較的ほのぼのしてる@当社比。



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「今日もは緑川かわいいね」

「は?何ヒロト。気持ち悪いよ」

「もー、素直じゃないんだから」


俺は基山ヒロトが大嫌いだ。
お日さま園でいっしょだった時も、あいつだけ優遇されていた。

俺みたいな何の取り柄もない奴の気持ちなんてさっぱりわからないんだろう。皆が笑っていても、あいつの笑い方はどこか偽物のようで気持ち悪かった。変に大人ぶるのだって馬鹿じゃないかと思っていた。

「ねえ、緑川。いっしょにパス練しようよ」

「ヒロトとしたら無駄話ぐだくだされるから嫌だ」

「そう?でもせっかくいっしょにやるんだったら会話しなきゃ虚しいでしょ」


俺は基山ヒロトが大嫌いだ。
宇宙人だなんて名乗っていた時だって、俺はセカンドランクなのにあいつは遥か頂上にいた。

偉そうな口調で命令してくる。なんだ、やっぱり今までの基山は偽物だったのだ、と納得した。だったら徹底的に従ってあげるよ。これで満足?

「緑川、大丈夫?」

「は?何が」

「根詰めすぎじゃないか、ってこと。無理しちゃ駄目だよ」

「無理なんて、してない」

「嘘。緑川ががんばってるのちゃんと分かってるからさ、たまには休憩しないと疲れちゃうよ」

「ヒロトには、分からないよっ……」

「分かるよ。緑川、いいこいいこ」

「こっ、こども扱いするな!」

「ほらほら、ぎゅー」

「やめろって!恥ずかしいし意味不明だから!」

「でもあったかいでしょ?」

「いやむしろ暑いってば」


俺は基山ヒロトが大嫌いだ。
今、俺は基山と同じ日本代表だ。

はじめて基山と同じ段に立つ。それがすごく嬉しかった自分にわけが分からなくて苛々した。隣に立つ基山は、俺とそう変わらないように見えた。

つまり、俺は、

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甘くはないなあ;
とりあえず毎回違うテイストを心がけてます。

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