朝ご飯


小鳥のさえずる音がして目を開けた。全く働いていない頭で窓の方を見やると空は明るく快晴。時計を見ると時刻は9時過ぎで、まさか寝坊したかと一瞬肝がヒヤリと冷えたが、そういえば今日は休日だ。ああよかった…。

「滝…?」

上体を起こしながら恋人の名を呼んだが、いつも隣で眠っている滝の姿は既になかった。ベッドから抜け出して床に脱ぎ捨てられたTシャツを拾ってとりあえず着る。今日が休みだからといって昨日は少しし過ぎたようで筋肉痛になっていた。滝は大丈夫だろうか?


「あ、先輩、おはようございます!もう少しでご飯できますからね」

寝室を出て、リビングの扉を開けると香ばしい匂いと共にフライパンで何かを焼く音、そして滝の声が流れ込んできた。カウンター式のキッチンは滝のお気に入りで、いつもご機嫌に料理をする。キッチンに踏み込むとTシャツにハーフパンツといったラフな格好で滝はフライパンを振っていた。

「滝、腰とか尻とか痛くないのか?」
「痛いですよ誰かさんのせいで」

手際よく調味料を入れながら滝は鋭く言うが、こういう声の時は本気で怒っている訳じゃない。同棲をしているからこそ分かることだ。そう思ったら無性に恋しくなって、滝の背後に立ち首に腕を回して後ろから抱きしめる。すると菜箸を持つ手が止まり、呆れた顔で私を見上げてくる。

「先輩、料理しづらいです。後にしてください」
「嫌だ」

首筋に顔を埋めていたずらに舌でペロリと舐めてやると短く息をのむ音、小さく洩れる声。…いかん、勃った。

「せ、先輩何か当たってるんですけど」
「んー?何だろうなー?」
「いやいやいや!料理中はダメです!いやー!」

滝の料理は後でゆっくり食べるとして、とりあえず滝をいただくとしよう。

贅沢な朝ご飯、いただきます。

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ふたつ目はこへ滝ちゃん。
小平太なら朝からお盛んそうだなーと思いましてこのテーマ。
滝の料理は美味しそう…
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