古文書


『No.000 異邦の古代詩』

白でも黒でもない竜は
未来の自分を知っていた
己が獣に成り果てて
封じられるのを知っていた
白でも黒でもない竜は
3つの予言を歌にする
誰かに殺してもらうため





『No.001 予言の歌・天』

光へ手をのばす
汚れなき銀の剣
微睡む想いを断ち切りて
歌う静謐
水晶柔く光散りて
闇の去りゆく暁
ひとり思う





『No.002 予言の歌・地』

闇へと進みゆく
虚ろな白亜の王子
己を全てを欺いて
紡ぐ理
黒曜鈍く崩れ落ちて
光去りゆく黄昏
ひとり思う





『No.003 予言の歌・煉』

狭間へ沈みゆく
彷徨い揺蕩う心
幼き願いを求めてた
結ぶ血盟
亡骸埋れ狂い果てて
水面にうつる
我が意を誰が知るや





『No.004 竜と人・前』

かつて竜は互いに相争い
人に血を与え己が手駒とした
血を得た人は王となり
その一族は王族となった
長い歳月が過ぎ
竜は徐々に狂い
獣の衝動に支配された





『No.005 竜と人・後』

竜は狂い逃れる為
肉体を捨て精霊となった
かくして竜は消え去り
世界は人のものとなった
だが肉体を捨てず
世界に留まった竜もいた





『No.006 王家の血・前』

白の王子王女はスメラギ王と
イコナ王妃の子
黒の王子王女はガロン王の子
第一王子はエカテリーナ王妃の子
第一王女は側室の子
第二王子は別の側室の子
第二王女はまた別の側室の子





『No.007 王家の血・後』

暗夜に拐かされしミコト女王の
幼子は白夜の血筋にあらず
スメラギ王の子にあらず
幼子のまことの父はハイドラ
幼子はハイドラとミコトの子












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