* R18表現含む






「は…ッ……む、」

咥内を犯される頭が蕩ける様な麻痺した感覚に、臨也は目尻に涙を滲ませて舌を自ら絡ませる。時刻は13時を少し回ったとこ、世間様は賑やかな昼時を満喫してる時間に臨也と静雄は切り離された空間に居るかの様に身体を交じり合わせていた。

昨夜の情事を終えてから数時間も立たない内に始まった行為は色めかしく、暑さから滲んだ汗は雫となって額を伝う。それさえも気にならない二人は長いとも言える間、互いの口を貪り唾液を絡ませた。

「ふぁ…、…ほんと、がっつき過ぎ…だよ、シズちゃん、獣並だねぇ」

「…るせえ。手前こそがっついてただろーが、クソノミ蟲」

「恋仲の相手に対してクソはないんじゃない?後、俺は君に合わ…―んっ」

唇が離れると同時に先程迄の蕩けさは露と消えた様子で臨也は皮肉めいた笑みを浮かばせ開口一番に厭味を口にする。いつもの日常でいつもの非日常。だが続かれた臨也の言葉は自身の甘い声と共に途切れた。

「ひゃ…ぁ、待っ…んン!」

「あぁ?どうしたんだー?イザヤ君よぉ…自慢の口が回ってねえぜ?」 

「うるさっ…、ァ…ふ…っ」

グチャグチャと卑猥な音を響かせて昨夜散々犯され濡れたそこは絶すく静雄の指を飲み込む。聴覚さえも乱される感覚に臨也は普段よりも高い声を上げた。

通常ならは排泄に用いられる箇所を弄られ、快楽えと変えたのはいつだったか、それ程に臨也と静雄は長らく身体を重ね合った。
間髪入れずに中を掻き回されては声にならはない音を漏らす臨也に欲情してか、静雄は更に指を増やしバラバラに熱の篭る中を犯し、過ぎる快楽に熱を持ち目尻から涙を零した臨也の頬を、そこよりも熱い舌で舐め上げた。咥内に広がる涙のしょっぱさに“こいつも曲がりなりにも人間なのか”と状況に似合わない思考を巡らせて舐め上げた舌を涙の雫が溜まる目尻に辿らせる。

「ひい゛…ぁ…、やめ」

甘さとは違う、僅かな悲痛さを篭めた声が臨也の口から漏れた。
痛みからかつぶる瞼を舌で器用にこじ開けて特有の赤茶の瞳に直に濡れそぼった舌先を這わせる。ビクンと揺れる肩や逃げ腰になる身体を押さえつけて涙の粘膜が張った瞳を堪能しては痛みで歪む臨也の表情を視界に映す度に下半身に篭る熱を感じて静雄は自分も案外大概だと苦笑した。

舌先を離すとボロボロと涙を溢れ出させながら臨也は静雄を睨み上げる。

「…ッいい加減その性癖直し…んう…!」
「直し?なんだよ?」
「ほん…さい、…ァ…ん」

ニヤニヤとした笑みで見下ろす静雄に臨也は心中悪態をつくも、中を弄られては思考を削がれびくびくと身体を震わせた。


十分熱が覆った瞬間、後孔へと埋められた三本の指が一気に引き抜かれ、変わりに確かな熱を帯びた静雄の自身を宛てがわれる。
ひくりと引き攣る入り口を見下ろす様に眺めて静雄は躊躇する事もなく、臨也の身体を貫いた。

「んぁぁあああ…あ…ッ!」

「…く、熱っ…」

昨夜受け入れ続けたそこは難無く静雄の自身を根本迄受け入れ、臨也は甲高い声を上げる。何度貫いても締め付けの変わらない蕩けるような熱の中、静雄は伝わる快楽に金の混じった瞳を細めた。
乱れるシーツを更に波打って、まるで獣の貪り合いの様な律動が始まる。

「は、ぁ…ア!…くっ」

一時の熱に浮される様に、昼間という事すら忘れさせて臨也と静雄は互いの身体を快楽に溺れさせた―――


















「……声、出ないんだけ…ど」

透き通るとは言えない声が、夕陽の差し込む室内に響く。それを発した人物は先刻迄獣同士の後尾染みた愛慾を交わしていた臨也本人で、ガラガラとした声は発する度に喉を痛めるのか眉を深々と寄せる。

「抗議する割には、気持ち良さそうによがってた奴に言われたくはねえな」

「……っ、その前に起きて直ぐとか盛ってる奴に言われたくはないね」

「るせー、淫乱」

「…黙れ、絶倫」

口喧嘩に似た言葉を紡ぎながら臨也は怠慢感で起き上がるのすら躊躇われる身体をベッドへと投げ出し、ばふっと綿の詰まる枕に顔を沈めた。
枕からも匂うのは矢張り煙草の匂いと静雄の香りで、鼻をつくそれに静雄に見えないように臨也は表情を緩めた。


――世間には到底認められない自分達の関係や、日常なのに非日常へと踏み出した室内とか、いつの間にか――してしまった自分自身、とか。
寧ろ、もしかしたら、神さえも予測出来なかったかも知れない状況下に身を投げ出した己と彼自身に少なからず優越感に浸りながら臨也は無神論者であるというのに、神を定義した思考に自重した。

でも、まあ
結局堕落してしまったのだ。


ぼふり、と臨也の頭に生暖かいなにかが乗せられ撫でられる感触に沈めていた顔を持ち上げぼんやりと隣を見るとそっぽを向いたまま静雄は臨也の頭を撫でていて、思わずクスリと笑いが漏れる。
きっと罪悪感はあるのだろう、非道に成り切れない彼に臨也は身体の痛みを忘れて、しっかりとした腰に抱き着いた。

「しーずちゃん」
「……なんだよ、気持ち悪ぃ」
「やっぱり俺、大嫌いだよ」
「ああ、俺も手前は大嫌いだ」


「でもさぁ、それ以上に」



―――堕ちたのなら、

―――いやになる程、堕ちよう







「大好きだよ、」


執着したのは、さあどっち?


(結局神は堕落した)





end




ただヤってるだけ…みたいな

やま無し
落ち無し
意味深長
正に801の典型的パターンです
久々の静雄の裏なので多分、結構
色々ダメな部分があると思います

まあ、やっぱり裏は書いてて恥ずかしいですね!って話です。



(神故に堕落した)
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