教師×生徒





空を見上げて問い掛ける
君は今なにをしてる?


空を見上げて問い掛ける
君は今どこにいるの?


自分に、問い掛けてみる
――俺は今なにをしていますか




の日、あの場所 2




有り得ない、その一言だった。


「ドタチン!」

教室のドアを思い切り開いて行き交う生徒達のこと等気にも留めずにある一人の人物の名前を言う。ざわりとざわめく教室は視線をいっぱい俺へと向けるが、そんなの目にも入らず、少しばかり困った様子で眉根を下げるドタチンこと門田京平の元に真っ直ぐと向かった。


「…はあ、どうした?」

「聞いてよ聞いてよ!変な教師に会ったんだけど!」

軽い溜め息をついて逃げもせずにドタチンは目を向ける、俺は真っ正面に来るように机を回り込み、机上にバンと手をついて乱した息を正すことも忘れて言葉を紡いだ。脳裏に先程の男が浮かぶ、ああ苛立つ。


「変な教師?」

「そうそうそう!教師の癖に金髪の変な男!思い出しただけでもなんかムカつくんだけどさ、何これ、苛々する!」

「分かったから、取り敢えず一旦落ち着け。みんな見てるぞ」

今にも騒ぎ出しそうな、否ほぼ騒ぎ立てている俺に対しドタチンは何処までも冷静でいて伸ばされた手でボフリと頭を撫でられれば徐々に気持ちが落ち着く。これだから彼は大好きだ。


「…ん、ありがと、ドタチン」

「その呼び方やめろ。…で、その教師が一体どうしたんだ?」

自然と笑みが漏れれば、ドタチンは眉は下げたままだが口元を緩ませて本題を聞いてくる。はあ、と俺は再三落ち着かせるように息を吐き捨てた。生徒達かの視線は殆ど消えている。


「…なんか、俺を更正させるとか宣ってる変な教師。俺のこと知ってたみたいだったけど…」

頭に焼き付いた映像が流れる、懐かしいような、けど知るはずのないあの男の笑みが。俺を見てるようで、何処か違う誰かと映し合わせて見てるような瞳。


「…へえ、それは変わった教師だな。おまえを、か。でもおまえが騒ぐってことは他の教師とは違ったんだろ?……なら、期待出来んじゃねえのか?」

「無理だよ」

顎に手を添えて、目を細めながら俺同様とまではいかないが多少の興味を引きながらドタチンは肩を落とすと、机上にうなだれる俺を見下ろして頭に置いた手でぱふぱふと撫でる。そして一呼吸置いてその言葉を口にした。けれど俺は顔を伏せたまま否定する。瞳の奥が段々と冷めていくのが分かった。


「……臨也」

「ドタチンだって知ってるでしょ。…俺が」

何かを思い呼ばれた名前を聞かぬふりをして冷めた表情で横の窓外を見る。雨が降りそうな天気、雨は嫌いじゃない。







「人間嫌いだって」





問い掛けた空から雨が降る、答えなんて返ってくることはない。君も同じ空を見てるだなんて考えるのは、ただのエゴだ。

だから頬を伝う雫も

ただの雨なんだ。




(本当に欲しかった答えは、そうじゃないんだよ)






To be continued





後書きったー

教室でいちゃこらする男子二人(笑)見ないフリを決め込む生徒さん達です

静雄が出てない



(あの日、あの場所 2)
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