※あとがきと言いつつ補足とか色々。


終わりました。ex込みの全187話です。
…187話…だと…。そんな量を書いていましたか私は…。ちなみに一番話数が多かったのはやっぱり人魔戦争編です。オリジナル展開最強ですね。
ここまで読んでくださった方にはすごく感謝しております。特に連載開始当初から読んでくださっている方には、前サイトが閉鎖したりして色々とご迷惑をおかけしました…! ちなみに最初の更新日は2011年2月…三年しかたってないか? というのが素直な感想です。もっと長く書いていたような気がします(笑)

▼この連載を書き始めた理由
ただ単に、テイルズオブヴェスペリアという作品が好きだったというのに限ります。個人的にシリーズの中でも、キャラクターがそれぞれはっきりしていて、まとまったパーティだと思います。
私はアビス以来テイルズをプレイしてなくて、ヴェスペリアを始めたのもPS3版が発売して一年くらいたった後でした。しかもきっかけはレイヴンです(笑) とある動画でレイヴンの詠唱を聞いたのですが、何この詠唱楽しい! と興奮していたのを今でも覚えています。
でも実際プレイしてみたら、ユーリの男前さにやられました。とても人気のあるキャラだとは知っていたのですが、思っていた以上にイケメン…というか、今までのテイルズ主人公とはまったく別の系統だったのでハマるのに時間はかかりませんでした(笑)
プレイ中にもこういう夢主にしようかな〜とぼんやりと考えていたのですが、ちゃんと連載をやろうと決めたのはレイヴン外伝の小説を読んでからですね。ここでお相手をユーリにするかレイヴンにするか最後まで悩んでました(笑)

▼夢主について
本当はユーリと幼馴染な下町の女の子っていう設定にするつもりでした。アウラとの関係もそのままに、始祖の隷長として生きるというのも同じです。それが何故突然トリップになったのかというと、ただ単に最後(主に星喰み編)の流れがやりたかっただけです。
星喰みを倒す代わりに、ユーリたちが夢主を覚えていられなくなるというのは某アニメの台詞に影響されて作ったとんでも設定です。連載当初から夢主に幸せは訪れないことは決まっていたということですね…。
トリップ設定が決まってからは、なるべく現実的になるように努めました。家族や友達、帰るべき家、シナリオの妨害。夢主にはそれぞれの世界を天秤にかけてもらいました。元の世界を離れ、トリップした世界に残るというのはトリップ夢の定石ですが、夢主にとってそれがどれだけ苦渋の決断だったのかを表現したかったわけですが…。ただの鬱になってしまいました(笑)

▼原作キャラクターたちについて
一番書くのが難しかったのは、イエガーとデュークです。もう、本当に勘弁してほしいほど情報が少ないですこの二人は。それなのに何故書いたのかと聞かれたら、好きだからと言うしかないのですが…。
本当はイエガー視点の話も一つ入れたかったのですが…無理でした。イエガーは原作でも何を考えているのかが分からないキャラでしたし、それが魅力でもあったので。ですから私が書いてるイエガーの人物像は完璧な捏造です。イエガーに限らず、色んなキャラの性格を捏造していますが…。
夢小説的な意味で難しかったのはやっぱりお相手であるユーリですね。特に満月の子編ではただの我儘な子供みたいになってしまいましたが、どこかで夢主を軽蔑するシーンを入れたかったので…無理矢理ねじ込ませていただきました…。星喰み編ではその反動で大変なことになってますが、ユーリって恋を認めるまでが長いと思うんですよね。思い当たることがたくさんあるはずなのに、性格上認められない。けれど認められない時期が長ければ長かったほど、認めたあとのデレデレ感がものすごい。そんな感じ。…勿論私の偏見ですが。

▼アウラの分厚すぎる設定について
トリップするからには、根拠のないことはしたくない。という私のアホみたいな自論のせいでない頭を絞り出すことになりました。
まずは攻略本を読み漁り、シナリオブックを読み漁り、小説を読み漁り。とにかくヴェスペリアの世界観を理解するように努めました。それから夢主がトリップした詳細な理由を考えまくりました。本当はオリジナルキャラクターを出したくなかったのですが、アウラの存在はそこに必要不可欠だったわけです(本当の夢主の名前はリクではなくアウラの予定でした)。
そして色々つぎ込んだ結果、こんなチートな存在となってしまったわけです。急いで考えたので、今読み返すとボロが色々出てますね…。転生設定だなんて人魔戦争編でしか生かしきれてません…。

▼書きたかったこと
夢主が自己犠牲しすぎ、というご感想は前々から伺っていましたが、まったくもってその通りです。ヴェスペリア自体「正義を貫き通す」がテーマだったので、夢主にもそれなりの正義を持ってもらいました。それが自己犠牲です。
西洋の人に日本人は自己犠牲的と言われていますが、夢主はその典型です。自己犠牲こそが美と無意識に思っています。だから自分が救うものの頭数に自分が入ってないのは当然で、だからこそ最後も自分だけが背負うという結末になりました。ユーリたちとは違う、自分の正義を貫いた結果です。
ただその考えが確立されたのは人魔戦争編で色んな事を体験したからであって、少なくとも凛々の明星編までは自分が助かろうとする気持ちしかありませんでしたし、その不満もなかったわけではありません。良くも悪くも人魔戦争編があったおかげで夢主の曖昧だった正義が固まったわけです。選択肢があまりなかったというのもありますが…。
この連載は、原作のテーマに則って『夢主の正義』とその成長を書きたかったわけです。

▼もしも読み返してくださる方がいたら
ものすごく長い連載となりましたが、この結末を知った上で読んでいただくとまた別の視点で見られるかと思います。色んな台詞が意味深に思えてくるかもしれません。
特に星喰み編では夢主の全ての行動が、夢主にとって『最期』ということになります。その上でユーリたちとどんな話をして、どんなことをしていたかをまた読んでいただけたら幸いです。

▼続編とか諸々
続編書いたらこんな感じかなーとは前々から考えていないわけではありませんが、続編は恐らく書かないと思います。これからは極端に書く時間が減ってしまうというのもありますが、エピローグ以降のお話は、私が決めてしまうよりも読んでくださった皆さんの中で想像していただけた方が良いんじゃないかなと思ったからです。
夢主がユーリたちとまた一緒にいられる未来になるのか、それともそのまま世界の不幸で有り続けるのかはご想像にお任せ致します。


とんでもなく長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!
誤字脱字も未だに多く、視点が入り乱れて読みにくいところが多かったと思います。けれど、こうして最後まで書けたのはやっぱり読んでくださるみなさんがいてくださったおかげです。ご感想も一つ一つ何回も読み直させていただきました。
時々先を読まれていてドキッとするコメントを残されていく方や、私の方が考えさせられてしまうコメントをしてくださる方もいらっしゃいました。こんな連載でも、ちゃんと考察等をしてくださっている方々がいて、とても嬉しかったです。ありがとうございます。
この連載はここで終わりますが、その上でまたみなさんのご感想がいただければ幸いです。

今後は文字数の関係で書けなかった、書きたかった話を番外編として少しずつ書いていこうと思います。そんな大したものではありませんが、お暇があるときにまた覗いていただけたら嬉しいです。

この連載はサイトの看板連載なので、私としても終わると思うと少し寂しいです。
けれど原作のキャラクターだけでなく、夢主も同様にたくさん愛されていて書き手としては本当に幸せでした。
ここまで読んでくださり、最後まで連載を続けさせてくださった全ての皆さんに改めて感謝致します。本当にありがとうございました。

20150105 炬
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