クロム×マイユニ

「そんな隅で何をしている。早くこちらへ来い」

「…」

「マイユニ、俺の言葉を無視するな」

「貴方の近くは…女性の臭いがするから嫌です」

「心配するな、あいつは身体だけの関係だ。名前すら覚えていない、覚えるつもりもない。俺が愛しているのはマイユニ、お前だけだ」

「っいや…!嫌です触らないで下さい!」

「何を嫌がっている、今からはマイユニだけを見ると言っているんだぞ」

「さっきまで他の女性を抱いていた手で、抱かれたくなんかありません!」

「そうか。だがな、」

「やっ…?!」

「この国の王は俺だ。お前はその正妻だ。ならば、言う事を聞くのが道理じゃないか?」

「…っやだ、離して下さ…」

「拒絶は許さないとたった今、言っただろう。無駄な抵抗をするな」

「…っう…うぅ…」

「マイユニ…泣くな、痛くはしない。昨日の女性より、朝のより、先程のより…お前をずっとずっと、強く愛しているんだ。お前だけは離さない。誰にも渡さない」

そう言い私だけを縛り付けて私だけを見ない貴方は、残酷です

きっと知らないのでしょう

「二兎追う者は一兎も得ず」

その言葉の意味を

いつ気付くのでしょう


貴方の隣に、私はもう居ないという事に


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