クロム×マイユニ
「クロムさん、乗り心地はどうですか?」
「む…正直、慣れんな」
「当たり前じゃないですか、ファルコンは女性専用馬なんですから」
「マイユニは、抵抗は無いのか?
こうして地に足が着いていなかったり風をまともに受けたりして…」
「もう慣れてますから」
「死角も無いが…敵襲は不安じゃないのか」
「弓兵に遭ったらと思うと少し怖いですね。
でもこの子、足が早いので。本気で飛べば10分ほどで敵襲から抜けられる優秀な子なんです」
「そんなに体力があるものなのか、飛行馬は」
「大体海一つは渡れると思いますよ」
「ほお、大したものだな」
「はい。できる事なら今日も海までお連れしたかったのですが…もう執務に戻る時間ですから。
今日は戦地となった街の復興についての文書作成ですね」
「…もうそんな時間か」
「もしお城の生活で息抜きをしたくなったらいつでも呼んで下さい。またお連れしますから」
「いっそ、次はそのまま渡海して二人で何処か遠くに行方をくらましてしまうのも手だな」
「私が駆け落ちの騎士ですか」
「腑には落ちんが…そういう事になるな」
「ふふ、そうですね。平和な世界が訪れたら…考えてみましょうか」
クロムとマイユニで空中散歩