クロム×マイユニ

「マイユニ、こんな所で座り込んでどうかしたのか?」

「あ…見つかってしまいましたか」

「…花を見ていたのか?」

「はい、近くを探索していたらちょうどここに辿り着いて…つい足を止めてしまいました」

「そうか」

「最近戦闘と進軍が続いていたので、こうして花をじっくり見るのは久しぶりですね。
キク科なのでしょうか?少し淋しげだけど…綺麗な花ですね。何と言う名前なのでしょうか」

「俺は花には疎いんでな…回答に期待はしない方が良い」

「そういえばクロムさん、私を探していたようですが何か用があったのですか?」

「あ…いや。そ、その事なんだが…」

「?」

「コホン、あー…その、マイユニ…」

「わっ…綺麗な花束ですね。どうしたんですか?」

「ま、まぁその…いつも世話になっているしな。マイユニに、と思って…」

「そんな、私は軍師としての義務をこなしているだけで、お礼をいただくような事はしていませんよ」

「いや。軍師としてではなく、俺の妻としてだ」

「えっ…」

「マイユニ…お前がいてくれたから俺はここまでこれた。お前と出会えたから、俺は今を幸せだと思える。だからこれからもずっと…俺の隣にいて欲しい」

「クロムさん…」

「確か店主がゼラなんとか…という花だと言っていたが…すまない、よく分からなかった。
だが、この花をマイユニに渡したいと直感したんだ。…受け取ってくれないか」

「ふふ…何だか少し、照れちゃいますね」

「それはこっちの台詞だ…」

「でも…言われなくとも、私はそのつもりですよ?私は生涯、貴方を支えます。この先、何があっても、どんな困難なあっても、貴方を支えます。
約束です。ずっとずっと…貴方の隣にいさせて下さい」

「…あぁ」



【ゼラニウム】
君ありて幸福

【シロタエギク】
貴方を支えます



愛妻の日


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