ガイア×マイユニ
世界を壊すその前に
「っ?!」
「戦いで背後を取られるのは命取りだ、マイユニ。
もし俺が敵だったらお前今頃死んでたぜ」
「あ…あの、ガイアさん?いきなり後ろから抱き締められても…。
それと私の目を、手で覆うの止めてくれませんか。何も見えないのですが…」
「手を退かした報酬は何だ」
「ほ、報酬て…。状況分かってます?!今は戦闘中なんですよ!」
「分かってる」
「じゃあなんで…っ」
「見せたくないからだ」
「え…?」
「マイユニ、今ここを見渡して何とも思わねぇか?」
「だから、ガイアさんの手で何も見えないのですが…。きっと皆さん戦ってますね。それが何か?」
「な?俺達、大分頭イカれてきてるぜ。こんな血塗れの世界に、全くの疑いも持ってない。目が慣れちまったんだ」
「そ、それはそうですけど…」
「たまに思うんだ。こんな世界をマイユニに見せるくらいなら、いっそマイユニの目を潰した方が良いんじゃないかってよ」
「…え…」
「世界を潰すか、マイユニの目を潰すか」
「…っ」
「おいおい震えんなよ。大丈夫だ、このまま目蓋を潰したりなんかしねぇよ」
「っ痛…!ガイアさん、そんな強く抱き締められたら、苦しっ…」
「マイユニ、大好きだ。俺が必ずお前を―――」
マイユニが世界に壊されるその前に
『壊してやるよ』