「先生、神楽さんがまた早弁してます」

チクりやがった隣のがり勉野郎。
私はそいつを思い切り睨んだ。
よりによってこの時間にチクるとは…

「神楽ァ、俺の授業で早弁たァいい度胸じゃねーかィ?放課後、生徒指導室に来なさい」

「私は忙しいので遠慮させていただきます。」

素知らぬ顔をして先生に言い放つ。
すると先生はニヤリと笑って私の耳元で呟いた。

「いいのかなァ〜覚悟してろよ?」

「ッ!!///」


私は先生を思い切り睨んだ。
しかし、相変わらず先生はニヤニヤと笑っている。

「…セクハラアル」




放課後、私は帰ろうとしていた。
下駄箱がある方向の廊下を歩いていく。

「誰が帰って良いって言った?」


ギクリとして、そろ〜っと声のした方向に振り返る。

げ、見つかったアル


「………。」

「お前はこれから説教。」

「いーやーアルー!!誰か助けて〜犯されるヨー!!」


ズルズルと引きずられるような感じで生徒指導室まで連れて来られた。

途中ですれ違った生徒(女子)からは「いいな〜」とか「私も指導された〜い」とか聞こえてきた。

この教師は生徒や教師関係なくモテる。
顔はカッコイイくせして中身は真っ黒。
みんなは見た目に騙されていて中身をしらないから寄ってくる。


「…で?なんの用デスカ?沖田先生。」

生徒指導室の椅子に座り、わざとらしく聞く。

「説教って言ったろィ。あと、二人きりのときは名前呼びだろ?」


私の顎に手を添えて熱い視線を送ってくる
……この時点で説教どころか、生徒と教師の関係が崩れている気がする。


「…そーご。」


呟くと私の唇は総悟により、ふさがれた。
学校で先生が生徒に手を出している。
悪く言えばそうなる。


「禁断の関係。ゾクゾクすらァ」

「馬鹿アルカ?」


歳もそんなに離れてはいない。
あと、このルックスだ。
制服の学ランを着てさえいればこの学校の教師でも生徒と間違えるくらいに若く見えるのだ。


「さて、本題に入ろうかねィ…」

「本題?」

「今月末には何があるでしょう?」


今月末は確か…………
……嫌な予感しかしない。


「テスト……」

「そ、神楽ちゃんが大嫌いなテスト」


もう、そんな時期なのか…としみじみ思う暇はない。
だって………


「で、沖田先生が神楽のために特別勉強会を開いてあげまあさァ」

「うぅ…やっぱり」


テスト前の勉強会は毎回やっている。
流石教師といったところだ。
教えるのが上手いし、出やすい問題を中心に教えてくれるので毎回赤点をとるどころか、高得点をとっている。
ただし、これには問題がある。


「今回の目標点数は全教科95点以上でィ」

「ええ!?」


問題はこれだ。
目標点数。
いや、目標ではない。
とらなければいけないのだ。

「目標達成できなかったら、今回もやっぱり……?」


恐る恐る総悟を見ると彼はニヤリと黒い笑みを見せて頷いた。


「その教科の数だけ美味しくいただきやす。」

……。
絶対これが目的なんだ。
テストに格好つけて結局の目的はそれなんだ。


「分かったアル。ようは95点以上取ればいいんダナ?」

「まあ、な」

それから私は死に物狂いで勉強をした。
もちろん総悟に教えてもらいながら。




そして、テスト当日………が過ぎ、テストの返却日がきた。

絶対に95点以上アル!!
ギュウッと目を閉じて気合いを入れる。

「神楽〜」

銀ちゃんの気の抜けた声が聞こえ、私はテストを受け取りに行く。

「オメー、スゲーな。クラストップだぞ。俺も教え甲斐があるなあ」

テストを受け取り、席に着く。
銀ちゃんの授業なんて真剣に受けたことない。
てか、銀ちゃん自体が授業を真剣にやっていない。
これは総悟のおかげ。

次の時限には服部先生から褒められた。
その次も次も…
先生は私を褒めた。

放課後、私は総悟のところへ行き、点数を報告した。

「へェ〜全教科100点満点ねェ…」

手渡したテストをまじまじと見つめながら呟く総悟。
これで私は救われた。と思ったが…

「まあ、これは俺のお陰だねィ。てことで、お礼は身体で払ってもらうぜ。」

「そんな…」


結局、私は総悟に美味しく食べられたとさ。



《fin》



10000hitフリーリクエスト先生×生徒パロ!朱雨ちゃんから頂きました。
10000hitおめでとうございます!
そして素敵な小説書いてくれてありがとうございました。

2010.09.07
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