◆DIO様、男


「今日はこの本を読んでくれ」
「あ、あの……私の英語の発音はよくないのでテレンスさまにお任せした方が……ひっ」
「イギリス育ちの私からすればあのアメリカ訛りも君のアジア訛りも同じだ。それより私は君の美しいソプラノでこの物語を聞きたい」
「は、はい……温室に挿し込む斜陽だけが、二人の情事を赤く照らしていた。く、唇が触れ合う程にそばにいるのに、まだ二人は清いままである。しかし、その子供のような純真で無垢な関係は今日で終わる。み……み……」
「み?」
「み、ミツツボニ挿シ込マレタ指ガ……あわわ……かっ、快楽ノ……もうだめです!DIO様、勘弁してください!」
「そう恥ずかしがることじゃない。男女が密室で二人きりになればして当然の行為だ」
「で、でも」
「ところで、今君はどこにいる」
「?……DIO様の寝室です」
「そして君と私の性別は?」
「私は女ですが……あの、吸血鬼に性別ってあります?」
「ああ。教えてやろう」
「あ、あのDIO様、近……」
「俺は男だ」
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