◆六太郎、パニック


「君は三姉妹の真ん中だったよな」
「はい」
「男兄弟はいないんだったな」
「はい」
「……君が別の男と街を歩いているのを見たという人物が私に忠告してきた。問い詰めたら兄だと誤魔化していたと」
「ああ。義兄」
「君は男兄弟はいないと」
「義理の兄と書いて『あに』と呼んでましたので。誤解のないように『ぎけい』と言うべきだったようですね」
「……え」
「姉の旦那です。私の義理の兄です。職場の……あの、承太郎さんにしつこく言い寄ってるあの女性にいきなり噛みつかれたの、覚えてます。忠告してきたってのもその人でしょう」
「すまない。君よりも赤の他人の言葉を信じてしまって」
「普段冷静な承太郎さんをそこまで取り乱させることができて光栄ですよ」
「ああ。そんなことが出来るのは世界で君と娘くらいだと思いたいね」
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