◆花京院、星になる


「死んで星になった僕だから、今夜は君に逢うために三途の川を超えて行くよ」
「ありがとう花京院。でも戻ってきたらきっと私、二度とあなたを帰さないようにずっとしがみついてるよ」
「命がない人間は現世に留まることが出来ない。でもたとえ君を連れて行ってしまうことになったとしても、僕も君を離さない」
「いいよ。連れてって……」

「おい。花京院はそんなことを言うようなやつだったか?」
「わう」
「我々の声が聞こえて、花京院の本当の声が聞こえないのは、君がまだ彼の死を受け入れてないからだ。心を閉ざしているからだ」

「花京院。私、いつまでもうじうじしてるわけにはいかないんだね」
「……君が決断してくれて、嬉しいよ。幽霊でも願い事をしていいというのなら、僕は君の幸せをずっと願うよ。君が、来年の受験に合格しますように。大学で新しい出会いがたくさんありますように。やりがいのある仕事に巡り合えますように」
「うん。ありがとう、花京院!もう大丈夫。花京院のその言葉で、私ずっと生きていける」



「……新しい家庭を築けますようにって言わなかったの、意地悪だと思いますか?アヴドゥルさん」
「うーん……ま、気持ちは分からなくないがな」
「あぎ」(俺は女々しいと思う)
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