◆承太郎、不愛想


「時間」
「は?」
「ホワイトデーのお返しに承太郎の時間が欲しいの。私が行きたいところに付き合ってほしい」
「……めんどくせーな。どうせ女向けの商業ビルとかだろ」
「めんどくせーなら別にいらないよ。物品だけ渡して俺はやることやったぞって顔されるのがいやなだけ」
「てめ……ケンカ売ってんのか?」
「だから、めんどうなら別に構わないって選択肢を提示してるだけじゃん。だからといっていらないと言われたから何もしなくていいってわけじゃなくて、希望には沿わなかったよってことを覚えておいてほしいの」
「別に行かねーなんて言ってねぇだろ」
「え、マジ?」
「なんだよそれ」
「どうせ断られると思ってたから本当ノープランなんだけど。待ってて今調べる」
「とりあえず出るぞ。着替えが先だ」
「わわわ……化粧化粧……」
「……こんな不愛想ヤローと出かけて何が楽しいんだかな」
「不愛想ヤローだから、一緒の時間を共有してないと不安になっちゃう。相手から愛情表現がないと不安になるのはバレンタインのときに体験済みでしょ?」
「うっ」
「私がギリギリまでチョコ渡さなかっただけであんなそわそわしちゃって」
「うるせぇ!とっとと準備しろ!」
「きゃーこわーい」(棒読み)
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