◆承太郎、育った

「おねーちゃん」
「なぁに、承太郎くん」
「あのね、ぼくおねーちゃんとちゅーがしたい」
「え、その言葉どこで覚えたの」
「だいすきなおんなのこにするんだっておかーさんがいってたもん」
「ああ、ホリィさん発信か」
「ねえ、だからちゅーしたい」
「それはね、もうちょっと大きくなった男の子と女の子がするんだよ」
「どれくらい?」
「まああと十五年かな」

「十八歳になったぜ」
「おめでとう、承太郎くん」
「十五年前の約束をようやく実行できるな、おねーちゃん」
「は?」
「俺とちゅーしてくれるんだろ?」
「どうしたの急に」
「覚えてないのか?」
「十五年前って……私が中学生の頃でしょ……えー、何か言った?」
「……言ったぜ。十五年後に俺たちはキスとその先をしようってな」
「当時三歳の子供がその先なんて知ってるわけないでしょうがっ!」
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