◆六太郎、浮気防止アプリをDLさせられる

「改まってお願いというのは、これを入れることか」
「は、はい」
「……GPSか。私の居場所が常に君に分かるようになるんだな」
「そうみたいです」
「ふむ。まあ確かにあまりいい気分じゃないな。常に監視の目があるような感じで」
「イヤならいいんです。ただ、承太郎さんいっつもどこかふらっといなくなるので」
「他の女のところに行ってるんじゃないかと」
「いえ、まあ大体海にいるのはわかるんですけど」
「……何にせよ君を不安にさせていたことには変わりない。分かった、入れよう」
「ほっ、ホントですか!?」
「ああ。ただし」
「?」
「君も当然入れるんだ。イヤとは言わないよな」
「あ、はい。そりゃあもう、もちろんです」



(買い物に出てるのか)
(今は家にいるようだな)
(ここは友人のアパートだったな)
(財団か)
(……どこにもいない!?どういうことだ!?)

「あ、おかえりなさい」
「……スマホはどうした」
「え?あ、充電しなきゃ」
(電池が切れていたのか)
「でもどうして……あ、あのアプリ?」
「……まぁな」
「ふふっ。有効活用してるんですね」
「君は見てないのか。君から入れてくれといったのに」
「だって今のところ無言で遠出してないじゃないですか」
「……本当に、浮気を疑ってるわけじゃなくて」
「こっちは夕飯の支度もありますから、一声かけてくださればそのアプリ消してもいいんですよ?」
(……本当にこのアプリを入れさせたかったのは、俺のほうだったようだな)
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