◆DIO様、回りくどいことをする


「テレンスさーん、私を探してるとケニーから聞いたんですけど」
「はい、DIO様にお目覚め用の水を運んで下さい」
「え、それそのままケニーに頼めばいいんじゃないすか」
「それもそうですね。その場にいる人に頼みましょう。ということでお願いします」
「……いや、私じゃなくても」
「あなたじゃなくてもいいかもしれませんがここには今あなたしかいません」
「えと……」
「つべこべ言わない!」
「はっ、はい!」

(クソ、わざとだよあのロココ調ヘアー野郎)
「DIO様ー失礼しますー……よっしゃ寝てるわ」
「私が寝ていると都合がいいのか?」
「げぇっ」
「何だその隠す気のない嫌悪の返事は」
「いやー、ハハハ、んーなことないっすよぉ」
「そうか。して何用だ」
「お水お持ちしましったー。ここ、置いときますんで。んじゃ!」
「そのような嘘をつかずとも夜這いに来たと言えばいいじゃないか」
「いや、嘘じゃないし、今昼ですし」
「水を運ぶ程度の用事ならば下男下女に任せるはずだろう」
「いやー、それがテレンスさんがな・ぜ・か、私を名指しして届けるように言いつけてきたので、あくまでもし・ご・と、の一環で来た次第でございまして」
「ほう、ではテレンスに聞いてみるか」

「いや、バタバタしてたので覚えてませんね。誰かに頼んだのは確かですが」
「テレンスさん!?」
「そういうわけだ、お前の証言の信憑性は皆無になったな」
「いやいやいやいやいやいやいや」
「申し訳ございませんがまだ水周りの仕事がございます。お召し物が汚れますのでこちらにはあまり近づかないようにお願いします」
「ということだ、おとなしく部屋へ引き下がろうではないか。なぁ?」
「ひいいいいいいいいいい」
(すみません。ここまで証言することが私のし・ご・と、ですので)
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