小説 | ナノ

「今日は回文の日だね」
「怪文?」
「多分違うものを想像してるだろうから説明しておくけど、逆から読んでも同じ音になる文章だよ。竹藪焼けたとか」
「あー、そっち」
(やっぱり違う漢字を思いついていたな)
「しんぶんし、とまと……これじゃ文じゃないよねー」
「泣いたけど、遠いあの子にこの愛を届けたいな……とか、どうかな」
「うーん、文字で見ないと全然分からないね」
「そ、そうだね」
「あ。私も一個思い出した」
「どんなの?」
「世の中ね、顔かお金かなのよ……」
(なぜ今それを思い出したんだ……!)


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