アスペラル | ナノ
幕間1


「ハチ、こっち」

 数日後、中庭で白い猫と遊ぶアルブレヒトの姿が見受けられる様になった。紐の先端に毛玉を付けただけの玩具に、ハチと呼ばれる白い猫は追いかける。

「随分仲良くなったわね」

 クスクスと笑いながらロゼッタはアルブレヒトと白い猫を眺める。

「本当、和やかな光景ですね……」

 隣のシリルもにこにこと眺めている。

「いやいや、つか、名前おかしくないか?」

 すると近くにいたリカードが呆れた表情で呟く。二人はそうだろうか、と首を傾げた。

「ハチって、普通犬につける名前じゃないか?」

「だって、蜂蜜のハチだもの」

(名前付けたのはアルか……)



 名付け親・アルブレヒト。
 そんな彼の大好物は蜂蜜。


end

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