07



「(いや、ここはポジティブに考えるべきか?そうだ。さっき断ち切ってしまったドラゴンボールへの関わりがまだ繋がっているんだと考えればいい。そう、ポジティブに……ポジティブに)」
「ねぇねぇ、お姉ちゃん強いね!修行してるの!?」
「えっと、してないかな(こいつ等!!)」
「おい悟天、そんな勢いで聞くなよ。困っているだろ。それに、修行なんて俺たち以外にそんなのする奴なんか、いないっつーの」
「えっ、そうなの!あの、色々ごめんなさい」
「いや、平気」


話を早々と切り上げて、2人の前から消えようとしたけど、さすがは子供。
あれよあれよと、自分のペースで話を進めていく。
はっきり言えば、いや、はっきり言わなくてもナマエはたじたじだった。


「あんた強いな。でも、俺たちも強いから平気だったんだぜ?」
「そっか、それは悪かったな。じゃ」


歩き出そうとしたナマエの手を取って、嬉しそうな顔を見せているとても癖のついた黒髪の少年。


「待って!あのね、助けてくれてありがとう!ヒーローみたいだった!カッコいい」
「確かにな」
「自分のストレスを発散させただけだ」
「でも、カッコよかったよ(今のセリフもカッコいい)!ね、トランクス君」
「そうそう。こう相手を投げてさ」
「えー。違うよ、こうだよ。こう」


トランクスは、先程のナマエの格好を真似るように手を振り回すが、悟天はそうじゃないと、訂正するように先ほどのナマエの真似をした。


「ね、僕のほうが合っているよね?」
「バカだな。俺の方が合っているに決まっているだろ」
「な、トランクス君より僕だもん」
「バーカ。悟天より俺だ」


2人して言い合いを始めたおかげでナマエは暇になった。
仕方がなしに、その場を離れようとしたが、トランクスに見つかってしまって、逃げる事が出来ないまま二人に片手ずつを掴まれた状態が続いた。


「ケンカをするな。いい加減にしないと怒るぞ」
「わ、悪い」
「ご、ごめんなさい」
「分かればいいよ」


ナマエは、どうする事も出来ない状態で、近くのベンチに座り2人の僕たちはこのくらい強いんだと言っているのを適当に聞いて、フとした疑問がナマエの頭の中を流れて行った。


「(あれ?そう言えば、なんでこんなに打ち解けてるんだ?)」
「でね、ぼく武道家になるんだ」
「そっか」
「俺もだぜ?俺は悟天より強いんだ!」
「僕だってこれからもっと強くなるもん」
「俺も強くなるぜ?」
「そっか。でも、もっと強くなるため頑張るんだろ?」
「うん!」
「あたしも頑張ったんだ。だから多少なら他の人より強くなった」
「お姉ちゃんカッコいい」
「そのセリフ。この短時間で、たくさん聞いた気がする」


そう言って、悟天の頭を撫でると悟天は凄く嬉しそうに笑っていた。


「えへへ」
「悟天だけずりぃ」
「ん?何か言ったか?」
「別に」


トランクスは小さな声で、羨ましそうに呟いていた。



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