05


今ナマエがいる場所は、今日から通う学校。

その名も【オレンジスターハイスクール】


「変な名前。ってか、恥ずかしい名前。なんだよ最後のスターって。そして、じじぃめ(ハイスクールって高校じゃねぇか。こっちは高校は卒業済みなんだよ!くそっ。サボりまくってやる)」


ダルそうに、それでもゆっくりと門に向かって歩いていった。
校門のところで、ナマエは待ち構えている警備員に話し掛けた。


「すいません。えっと、今日からここに編入するんですが、どこ行けばいいですか?」
「あぁ、それなら、この先を・・・・・」


一通り聞いて、ナマエは校舎に向かって歩き出した。

その頃、ナマエを待ちつづけている職員室では、来るのが遅いことに不安と苛つきを覚えていた。


「まったく、もう1人の子は一体いつになったら」
「そうですね」
「彼はしっかり時間前に来たというのに」
「教頭、落ち着きませんか?」
「落ち着く?私は落ち着いている」
「どこがですか」
「何ですか?」
「なにも」


苛立っている教頭と一緒にいるのは、担任の先生ですが、まさにどうでもいいって感じで教頭を相手にしていた。
結局ナマエがたどり着く前に、チャイムが響き渡った。


「仕方がない。彼だけで行ってください」
「そうですね。それでは、行きましょう」
「あっ、はい」


担任と、もう1人の転入生が職員室の扉を開けようとしたが、それよりも先に扉が開いた。


「すいません。遅くなりました」


やる気のなさそうな姿で、のんきなナマエの声が、職員室に響いた。


「ん?」
「君は、えっと」
「転入するナマエですが」
「遅刻ですよ」
「だから、すいませんって言ったじゃないですか」
「教師に向かって、言葉使いに気をつけなさい。それと、その格好は学生としてどうかと・・・・・(くどくどくどくど)」
「格好って、ここ私服でみんなこんな感じに見えたけど?」
「あと、その髪色はどうした?写真では黒だっただろう」
「・・・・・うぜっ(ってか、じじい写真いつ撮ったんだよ)」


ナマエは、前の世界でも教師から言い様に見られていなかった。
それはナマエの態度も問題であったが、一箇所に縛られる事が嫌いなナマエにとって学校自体が苦にしかならなかった。

ナマエの年配などに対する態度にも問題はあるが、喧嘩をするだけで不良と見られ、不良というレッテルで、周りからもいい目でみられていなかったことから、自分は何も悪くないと思う事のほうが多くなっていた。
また、通う必要のない高校に通うことになったのも苛立っていたのか、こういうことは流してしまおうと思っていたのに、つい壁をダンと叩いてしまった。


「だから、どうもすみませんって言ってるじゃないですか。初日に遅刻するだけでここまで文句を言われる筋合いってないと思いますが?」


ナマエの言葉に、静かになる職員室。


「あと、偉そうにするだけの教師とか一番嫌いなんですよ。センセー?」
「あ、あぁ。すまなかった」
「あ、あの」


それまで、黙っていたもう1人の転入生が恐る恐る手を上げてナマエに声をかけた。


「あの、そのへんにした方がいいですよ」
「はあ?(って、こいつ・・・・・ご飯。じゃなくて、悟飯か?)何か?」
「ですから、やめませんか?危ないですし。それに、貴女の遅れてきた時の態度にも少しは問題があったようにも思えますし」
「・・・・・」


人が良さそうな爽やかな笑顔をナマエに向けてやさしく話し掛ける。


「それに、貴方は女性です」
「男尊女卑ですか?」
「いえ!そんなつもりで言ったつもりじゃ」
「へー。なら黙っててよ・・・優 等 生 君 ?」
「えっ?あの、僕は孫悟飯って言います。貴女は」
「君の名前なんか聞いてないし、言いたくない(名前が確定されたよ。やっぱり、ここはドラゴンボールの世界か)」
「えっと、あはは」
「もう教室行くみたいだけど?」
「あっ。すみません」
「はぁ(どうやって、ドラゴンボールの話題とかに持ち込むかな、でも関わるのはなぁ。悟飯って関わりにくいよな。
「(あぁどうしよう。ものすっごく面倒臭い。それに、龍神で本当に元の世界に戻るという願い叶うのかっていうのも、確定してないよな?)」


大概失礼な事を考えながら、ナマエと悟飯は教室へと向かっていった。


「あ、あの。なんだか緊張しますね」
「別に(やっぱり屋上がサボりスポットかな?)」
「自己紹介とか、あるのかな?」
「さぁ(ダメだ。屋上は悟飯の変身スポットだった)」


向かっていく途中も、ご飯はナマエと仲良くなろうとしているのか、いろいろ喋りかけてきていてナマエは面倒臭かった。


「貴女の事をなんとお呼びしたらいいですか?」
「なんで?」
「(あっ。会話が続いた!)これから、クラスメートですし。一緒の日に転入もしたので。仲良くなれればと」
「あたしは、仲良くしたいなんて思ってないし。むしろ1人で居たい」
「えっ?」
「確かに転入したけど、あんたみたいな勉強しに学校にきたわけじゃないんだよ」
「でも・・・」
「優等生は優等生らしく、いい子ちゃんだけと仲良くしときなよ」


ナマエは、そう言い放ってから悟飯の少し前を歩き続けた。



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