09


さてと言いながら立ち上がった大人。
なんとなく視線は大人へと向けられる中、歩き出した大人は部屋へと戻ると、私服へとなって戻ってきて。


「それじゃ、出かけるから、あとをよろしくね子供」
「・・・・・って、ちょっと待って大人さん」
「え?」
「え?じゃないよ大人さん。放置する気?」


驚いた顔をする大人に驚く子供。
彼らはただ傍観していた。


「・・・・・子供の方が年も近いから、きっと話もあうと思うよ」
「無理!」


大丈夫と大人の余裕っぽさを醸し出し、落ち着いた雰囲気の笑顔。
だが、子供はわかっている。
その笑顔は、面倒事を子供に押し付けることをしようとしていることくらい。


「(彼らは昨夜と同じ格好でいる。 つまり、今の現代には全くと言っていいほどそぐわない恰好・・・・・ある地域にはなじみまくって人気者になれるだろうが。 ここに住むには生活必需品がいる事になる。 今ある来客用としておいてあるものを使っていてもその場しのぎにしかならない。 それも2〜3人分しかないのに、彼らは6人。 足りるはずがない。 そうなれば、買い物に行かなくてはならなくなるが、服や靴のサイズなどなどいろいろあれば最低でも2人は一緒に行かなくてはならないが、きっと何だかんだとみんなついてきそうだ。 昔の人が現代の進歩した世界に冷静に驚くことなくなじむことなど、絶対にありえない。 そんな人たち6人を面倒なんて見てられるものか!)」


決意あらたに子供は拳を強く握り大人へと懇願するしかなかった。


「絶対に、私一人では無理だから、行かないでっ!ていうか、今日の予定は何もなかったはずだよね?」
「やだな子供ったら、予定はいくらでも作れるさ」
「ほんとお願いだから」
「わかったよ。家主は私だしね。協力してよ子供」
「ありがとう!」


ま、保護者の立場でいきなり放置はダメだよねと言いながら、もう一度椅子へと座りなおした大人に、ほっと一息ついて子供も横に座った。



最初の外出まで、その1(END)

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