もしも挙式をしたら5



-八左ヱ門編-


「名前!!」
「あ、八左ヱ門さんおかえりなさい。仕事帰りで疲れているのだろうなのに元気過ぎでビックリです」
「名前はやる気が感じられなくてビックリなのはこの際別だ。ほら、コレを見ろ!」

そう言って持っていた紙袋を反転させて中身をテーブルの上にバサバサと落とした。

「うわぁ…これはまた。重かったでしょう」
「そうなんだよ、途中で袋が破けちまうかと思ったぜ。へへっ」
「それはお疲れ様です。あ、お茶入れるよ」
「お、サンキューって、待て待て」
「どうしました?」
「お茶はいらんから、目の前のコレ等をスルーするなって」
「あ、今のギャグですか?スルーするなっていうの」
「だぁ、ちげぇから!ほらちゃんと見ろって!頼むからさ」
「えー」
「面倒で嫌だと言うのはナシだ。俺はちゃんと名前と式を挙げたいんだ」
「そんな真剣な顔で言われちゃ折れるしかないですね。わかりましたよ」

そう言って八左ヱ門が持ってきた挙式関係の本とパンフを見ていると、何個か印や付箋がついている。
マメだなと思いながら名前は目を通した後、一まとめにするとゴミ箱へと勢いよく突っ込んだ。

「おほー!?何で捨てるんだ!」
「この手が勝手に、何だか気がついたら捨てていました」
「そんな珍しい優しい笑顔で言われても嘘くさいから。で、こんな挙式どうだ?ぜってぇ心に残って楽しいと思うんだよな」
「八左ヱ門さんが気に入っている選択肢を外さないと二度と式なんて挙げませんから」
「はい。考え直します。・・・・・絶対いいと思うのに」

そう言いながら、動物園やら水族館やらで行われる挙式プランの候補チラシを肩を落としながら古紙回収用の箱に入れた。


動物大好きな八左ヱ門はそんな感じの式を望んでいるタイプだといい。



(END)
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