入れ替わり2



−兵助編−


「く、久々知君?」
「どうかしましたか、タカ丸さん」
「いや、その、いつもと違うかなって」
「そうでしょうか?」
「うん。それに、いつもならこうやって髪も豆腐ないと触らせてくれないし」
「たまにはいいかなって思っただけです・・・・・なのだ。別に他意はありません・・・・・のだ」
「ふふっ、なら今日は頑張ってお手入れさせてもらうねぇ。嬉しいなぁ」
「・・・・・(なりきるってしんどい)」


「雷蔵ー、帰ろうぜ?」
「ぐぅー」
「って、寝てる?」
「あぁ、悩んでいたと思ったら寝てしまいました。のだ」
「今日の兵助変だな」
「そうか?いつもの俺だと思うのだがなのだ」
「いやいや、なんか喋り方変だし、のだって語尾の無駄遣いしてね?」
「気のせいなのだ(そんなにのだを言わなくても良かったのか)」
「で、雷蔵は何に悩んでいたんだ?」
「さぁ?俺の昼ご飯を見てからだけどな」
「・・・・・豆腐料理を見て今更何を悩むんだよ」
「それは知らないが、今日の俺はスタミナ丼なのだ」
「えぇっ!?ど、どうしたんだよ。体か!体の調子が悪いのか!!やっぱりどこか変だと思っていたんだよ。豆腐は体にも優しいだろ!どうしたんだよ、兵助。ほら、豆腐食えよ、な?な?」
「・・・・・」

「兵助、悪い。宿題教えてくれねぇかな」
「宿題?あぁ、ゴメン八左ヱ門。まだ手を付けていないんだ」
「兵助がか!!!?」
「後でしようと思っていたから」
「なんだ、豆腐の研究でもしてたのか?それとも、するのか?」
「・・・・・」



「さぶ、(じゃなくて)鉢屋さんどうしました?」
「どうって」
「何か言いたそうな顔をしていましたので」
「なら聞くぞ。名前何があった?」
「何がとは?」
「いや、その、いつもと違う」
「違うって、そうでしょうか?」
「そうだろうが、いつもの名前はそんな感じなんかじゃないだろう!明らかに、違うだろ!!何かがあったんだろ?嫌なことでもあったのか?辛いことでもあったのか?きっと話した方がスッキリすることもあるんだ。料理なんて作らなくてもいいから、ほら座って俺に話してみななさい」
「(世話好きなのは知っていたが、こうまで自分に降りかかるとちょっとだけ)鬱陶しい」
「うっ!?」

うざいと言われるよりも、丁寧に鬱陶しいと言われた方がダメージは強かったのか、背中に影を背負ったように台所に立ち尽くす三郎がいたことは、誰も知らない。



(END)
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