家族だったら4



-三治郎編(名前にムリヤリ三郎が入っている繋がり)-


「名前姉さん!」
「三治郎?」

声が聞こえ、物凄い勢いで走り寄ってきた三治郎は、加速そのままで名前へと抱きついたからか、名前はいらない衝撃を受けていた。
一瞬リバースしかけたが、なんとか持ちこたえた名前は、どうしたの?と三治郎へと訪ねた。

「名前姉さん」

しがみついたまま顔を服に埋め、なかなか離れなかった。
いつも笑顔の三治郎がこういう行為にでる理由と言えば。

「負けちゃった?」

そう言った名前の言葉にビクッと肩を揺らすと、小さく言葉を発しだした。

「僕だって頑張っているのに、どうしても乱太郎に勝てないんだ」
「うん。それで?」
「今日だって、今日のためにすごく練習したのに、それでも・・・・・」
「三治郎は、どのくらい練習したの?」
「いっぱいした!!毎日毎日すごく、すっごく頑張ったのに、なのに!」
「もしからしら、頑張りすぎたからかもしれないね」
「え?」
「三治郎は、本番のためにすごく一生懸命頑張っている。でも、それはいけない事ではない。でもね、本番前に頑張りすぎてもう限界って体が疲れてるんだよ」
「・・・・・」
「本番前に休憩はした?」
「・・・・・してない」
「どんな人でも、万能な人なんていない。体の事を気にしないで、勝とうなんてダメ」
「・・・・・うん」
「鬼ごっこでは乱君にもタッチできるんでしょ?」
「だって、それは遊びだし」
「乱君は本気で逃げてるって言ってたよ」
「本当に?」
「前に鬼にならない日がないって、くやしいって言っていたからね」
「・・・・・」
「さて、元気でた?」
「うん!!」
「よし、いい笑顔だ」



そんな微笑ましい姉弟の姿を目撃した彼らは・・・・・。

「あの名前が・・・・・」
「ちゃんと姉だったな」
「うん。びっくりしてお団子落としそうになっちゃったよ」
「いいお姉ちゃんだね」
「・・・・・」
「どうしたの三郎?」
「いや、今の話はいいんだけどさ」
「いいけど?」
「自分の姉である名前が、休憩ばっかりしているということを、三次郎は気が付いているのか?」
「「さあ?」」
「名前も、何かしら頑張ればいいのにって、思ってな」
「そこ、うるさい!!」



(END)
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