家族だったら3



-留三郎編(名前に三郎が入っている繋がり)-


「姉さん。コレ持ってくれねぇか?」
「えー。コレめちゃくちゃ重いよ。自分で持てるんだから自分で持ちなよ。ってかさ、男の伊作君が居て、何も持ってないのにまず先に姉に頼むってどうよ?」
「「・・・・・」」
「何?」

「しょ、しょうがねぇだろうが、伊作が持ってもし何かあったら」
「留さん。ごめんね。僕も少しくらいなら持つし大丈夫だから、何でも言ってよ」
「いや、汚れたり、落ちて割れたりしたら大変だから」
「えっと、それって、じゃあ僕でも持てそうなものはないの?」
「あ〜。平気だから気にすんなよ」
「でも、やっぱり何かないかな?」
「なら、留の鞄でも持たせたらいいんじゃない?それなら汚れても落としても平気でしょ」
「「・・・・・」」
「何よ」

「でも、鞄くらい持つよ」
「ありがとな伊作。鞄も重いから気をつけろよ」
「気にしないで、これくらいしかできなくてゴメンね、留さん」
「いや、(名前姉に比べると)気持ちだけで十分だ。あ、伊作、そこ段差になっているぞ」
「あ、ホントだ。気づかなかったよ。ありがとう」
「なんか、カップルみたいな会話だよね。今私がいるから辛うじて大丈夫かもしれないけれど、場所とか気にしないと噂流れるよ?あ、もう流れていたりする?なんてね」
「「・・・・・」」
「だから何?」

「なぁ、姉さん」
「何?」
「姉さんって、友達いる?」
「ものすごく失礼ね。いるわよ私にだって友達くらい」
「だれ?」
「ほら、代表だと、小松田兄弟に、山田利吉とか?後は・・・・・」
「「(個性っていうより一癖ある人ばっかりの名前が出てくる、普通の子はいないのか/いないんだね)」」
「あと、伊作君かな」
「え?」
「あ?」
「ん?」
「え!ぼ、僕も!?」
「あれ?嫌だった?」
「そ、そんなことないよ。嬉しいです」
「それは良かった」
「・・・・・っ(名前さんの貴重な笑顔)」
「(姉さんが笑顔だなんて、絶対なにか裏がある。伊作が帰った後で聞くか)」

なんとなく純粋な伊作に和んでつい笑ってしまった事を、実の弟である留三郎に素直に受け取ってもらえない名前。
必死な留三郎の姿に呆れるのは数時間後の事だった。



(END)
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