家族だったら1



-三郎編(家族なので敬語は取ってます)-


「おい」
「なに?ってか、姉にむかっておいは酷いなぁ、泣いちゃうよ?」
「それは、悪かった。で、コレなんだよ」
「見てわかるでしょ?お菓子だけど?」
「・・・・・コレは?」
「えぇ、どれ?あ、それは昨日の夜ご飯」
「・・・・・コレは?」
「朝食べようと思ったの」
「今何時?」
「十二時過ぎ」
「もう何も訊かないけど、お昼は俺が作るから、それを食べて」
「でも、三郎は今旅行から帰ってきて、疲れたって言ってたのに部屋で休まないの?」
「私もご飯を食べてから休むことにしたんだ」
「そうなんだ。あ、なら洗濯くらいならしてあげるよ。今の私はやる気に満ち溢れてもなくもないから」
「ちゃんと洗濯物を干すときは、皺を伸ばして、柔軟剤も洗剤も表示されている分量を入れること」
「三郎って、主婦みたいだよね」
「名前姉さんが適当すぎるんだよ」
「そうかな?一般だと思ってるよ」
「あと、色物は別々にして」
「五月蠅いなぁ。細かいと雷蔵君にも飽きられるよ」
「なっ、雷蔵は関係ないし、私は洗濯物を心配して」
「洗濯は何度もしているんだから、そんな毎回言われなくても平気よ。もう、相変わらず世話焼きな三郎なんだね。親は放任主義なのに、どうしてそんなにも、しっかり者っていうか世話焼きになっちゃったの?」
「姉さんのせいだよ!」
「あれ?聞こえていたの?」
「思いっきり私を見ながら問いかけてきといて、今のが独り言とかありえないだろうが!」

ブツブツ文句を言いながら、カップ麺を片づけてから台所に入っていく弟の三郎を見て、三郎も好きに生きなよって言っているのにと思った名前だった。

「(俺がしっかりしないと、姉さんは生きていけない)」
「(いやぁ、三郎がいるとご飯は出てくるけれど、鬱陶しいな。あ、今度旅行に行こう)」



(END)
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