好奇心は時に自分を苦しめるもの



今日もパオズ山から、西の都にあるオレンジスターハイスクールへと向かっていた。
やっぱり、自分の力を普通以下に常に気をつけなくては行けないのは、結構大変で、怪しまれたりもするんですが、楽しい学校生活を送っています。

今日は朝から騒ぎもなく、僕の秘密であるグレートサイヤマンの活躍もなく学校の屋上へと辿り着いた。

誰に言うでもないが、急がなくちゃと、声を出して校舎内に入ろうとしたら、知っている名前さんの気を感じた。
なんとなく名前さんの気を探り、今僕がいるこの屋上からだと姿が見えないが、校舎裏に並んでいる木の一つを見ながら呟いた。


「そっか、今日は学校の日なんですね」


学校が嫌いと言って、仲良くなれるか分からなかった名前さん。
でも本当は、僕より全然弱いけれど、強い目を持つ名前さん。
面倒臭がりで、でも、優しくて、雲のようにちょっとつかみ所がない不思議な名前さん。
そして、秘密だけれど、今人気の歌手である名前さん。

たくさんの名前さんを知っているけれども、やっぱり名前さんの秘密を知っていることが、ほんの少しだけ優越感を感じていたりするんだよな。


「へぇ、優越感ねぇ。悟飯君ってばそんなこと思ってるんだ」
「っわぁぁ」
「何よ。そんなに驚く事もないじゃない」
「そ、そうですよね」


笑ってごまかそうとしたのだけれど、そう上手くいかず、逆に怪しまれてしまった。
暫くして、この空気を壊してくれたのが、お馴染みのシャプナーだった。


「よぉ、テストだってのに随分と余裕のようだな」
「そんなことはないけど」
「お前の思い通りになると思うなよ」
「は、はは…」


どうして、いつも僕に敵対心を向けるのかは分からないけれども、今日も今日で変わらず敵対心を向けられていたりもする。
そんな僕たちの横を通り過ぎて先を歩いて行くのは先ほど校舎裏にいた名前さんの姿だった。


「あ、おはようございます」
「何言ってるんだよお前は。返事なんてするわけがないだろうが」
「そんなことありませんよ」
「……はよ」
「えぇぇぇ!!マジかよ」


小さく、それでも返事をしてくれた名前さんに、何だか学校の中でも少しだけ仲良くなれた気がして、気持ちが高揚したのは僕だけの秘密。

そんな少し嬉しい気持ちで、テストを受けて、残り一教科となったとき、シャプナーはもう次のテストを諦めたのかは定かではないが、テストの予習をしていなく、世間話へとなっていた。


「なぁ、ビーデル」
「なによ」
「今日帰りに寄っていくだろう」
「もちろんよ。イレーザも行くわよね」
「そのつもり」


横と前でそんなにも盛り上がられて話をしているとどうしても耳に入ってくるわけで、少し気になって、教科書を見ながらも少し聞き耳を立ててしまっている自分がいる。

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